米海軍特殊部隊が培った「リーダーシップ論」が、仕事や生活に役立つと言える訳
ラマディでの戦争を遂行した仲間たちの中に、わがシールズのタスクユニット(海軍特殊戦任務隊「ブルーザー」)も含まれていた。繰り返しになるが、本書でお伝えする戦闘経験は、歴史的な参考資料を目指すものではない。当時の会話の内容をお伝えするために誰かの言葉を引用している箇所もあるが、必ずしも完璧に再現できていない。時間の経過や構成上の制約、さらには記憶が十分でないなどの影響もあるだろう。
また、本書に描かれるシールズの戦闘経験については、具体的な戦術、技術、手順を隠し、ある軍事作戦がいつどこで行われ、誰が参加したかなどの機密情報を守るために、慎重に編集や改変を行っている。この原稿は米国国防総省に提出され、同省の要件に従って、安全保障の審査手続きを経て承認されている。
私たちは、共に任務を遂行したシールズ・チームの仲間たちや、今も危険な任務に就いている仲間たちの身元を保護するべく、最善を尽くしている。彼らは寡黙なプロフェッショナルであり、称賛を求めてはいない。私たちは、彼らを守る重大な責任を真摯に果たしている。
レディファースト旅団戦闘団のほかの戦士たちについても、同様の予防策を取った。勇敢な米軍兵士や海兵隊員の誰かについて書くときには、ほぼ100パーセント、階級のみを表記している。これは決して彼らの貢献を損なうためではなく、プライバシーと安全を守るためだ。
同様に、私たちのリーダーシップ・マネジメント・コンサルティング企業「エシュロン・フロント」のクライアントの保護にも、全力で取り組んでいる。人物や企業の特定を避けるため、企業名は出さず、個人名は変更し、業種が推測できるような情報は隠し、場合によっては幹部の地位や業種も変更している。守秘義務は絶対に守らなくてはならないからだ。
ビジネスの世界で得た教訓の物語は、私たちが実際に経験したことに基づいているが、原則をわかりやすく伝えるために、場合によっては状況を組み合わせたり、時間軸を短縮したり、話の筋を修正したりしている。
この本の構想は、ある気づきから生まれた。それは、戦場でのシールズの成功に欠かせない原則――シールズがいかにリーダーを訓練して戦闘に備えさせるのか、いかに優秀なチームをつくって成長させるのか、戦闘の中でいかにリーダーシップを発揮するのか――は、どんなグループにも組織にも企業にもビジネスにも、ひいては人生にもそのまま応用できる、という気づきだ。
本書は、読者のみなさんに「成功の秘訣」を伝授している。それは、シールズのリーダーたちと戦闘部隊がけた外れな成果を出せる、「マインドセット」と「基本原則」だ。そのマインドセットと基本原則をビジネスや人生にそのまま活かして、同じく勝利を収める方法を、明らかにしている。
米海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)
伝説の指揮官に学ぶ究極のリーダーシップ
ジョッコ・ウィリンク 著
リーフ・バビン 著
CCCメディアハウス
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