無観客開催「選手の家族ぐらいは距離を取って観戦できたはず」と海外から不満の声
Simone Biles' Mom Says Families Could Social Distance in Venues for Events
東京五輪に出場する米選手団の中で15歳と最年少の競泳選手ケイティ・グライムズ(15)
は、家族が観客席にいないのは「変な感じがする」と述べ、こう続けた。「家族は私が出場する全ての大会に来ているから」
グライムズの先輩のケイティ・ホフは、アテネ五輪に出場した時グライムズと同じ15歳で米選手団の最年少メンバーだった。最初の種目では緊張のあまり過呼吸になり、プールデッキで嘔吐してしまったという。
今回の五輪は東京に緊急事態宣言が発令されているなかでの開催となり、健康面と安全面の懸念から無観客での開催になった。日本ではこのところ新型コロナの感染者が増えており、ワクチン接種を完了している人も人口の16.8%と少ない。世界各地でさまざまな変異株の感染も拡大している。
コーチ陣のサポートが重要に
東京五輪では、観客席にいる選手の家族の興奮した顔やショックを受けた顔をテレビで観ることはない。国旗を振りながら応援する観客の歌声や歓声もなしだ。2016年のリオデジャネイロ五輪では、水泳競技の観客席にいたフェルプスの息子(当時生後3カ月)が可愛いと注目を集めた。だが今大会は、首都圏の会場では子どもの観戦も認められていない。
アスリートたちを育て、精神面や金銭面から彼らを支え、怪我をした時も試合に負けた時も励まし続けてきた家族は、テレビで観戦する以外には電話やメール、ビデオチャットで彼らの状況を知ることで満足するしかない。
オランダの競泳選手キーラ・トゥサントの母親で1984年のロサンゼルス五輪で水泳の金メダルを獲得したヨランダ・デ・ローバーは、「テレビの方があなたがよく見えるわ」と言っていたという。
コーチ陣にとっては、パンデミック中はアスリートのサポート体制を整え、アスリート間の仲間意識を育むことも重要になっている。
競泳アメリカ代表団のディレクター、リンゼー・ミンテンコは、「家族が東京に来れた場合よりは、普段以上にお互いが必要になるだろう」と語る。「その分、絆は強くなるかもしれないが」