最新記事

バービー

大坂なおみが「尊敬すべき」女性としてバービー人形に

Naomi Osaka Barbie Doll Sold Out Hours After Launch

2021年7月14日(水)19時55分
チアラ・フィオリオ
大坂なおみ

全仏オープンに出場した大坂、のちに棄権した(5月30日) Susan Mullane-USA TODAY Sports

<「境界を突破し、次世代に刺激を与える女性」として、バービー『ロールモデル』シリーズの一員に。人形は数日で完売した>

グランドスラムで4勝を挙げたテニスのトップ選手、大坂なおみ(23)をモデルにしたバービー人形が登場した。米玩具メーカーのマテルは、さまざまな分野のリーダー的な女性をモデルにしてバービー人形の多様化を進めているが、大坂なおみがそのラインアップに加わった。

29.99ドルの大坂なおみ人形は、7月12日の発売後わずか数時間で売り切れた。マテルのウェブサイトには、次のように書かれている。「この人形は現在大人気につき、在庫がありません」

大坂なおみのバービー人形は、2020年の全豪オープンで着ていたテニスウェアに着想を得たナイキのウェア、シューズ、バイザーに、ヨネックスのテニスラケットを持っている。

「2020年全豪オープンで彼女が着ていたウェアを再現した」と、デザインを担当したカーライル・ヌエラヌエラは言う。

「ナイキから同じウェアを送ってもらい、縁どりやメッシュの入れ方、プリントなど、すべてを再現した。シューズも送ってくれたので、グレーに塗ってデジタルスキャンしてバービーサイズに縮小したので、デザインの細部までそのままだ」

「ヨネックスも、デジタルスキャン用にサンプルのラケットを送ってくれた。ゴールドのメッシュが入った髪とパールのイヤリングは、なおみの希望だ」

グランドスラム優勝23回のセリーナ・ウィリアムズにあこがれて育った大坂は、次のようにコメントしている。「バービーの『ロールモデル』シリーズの一員になり、若い女性たちに向けて世界は変えられる、と伝えられることをとても光栄に思う。世界中どこにいても、自分は大きな夢を持てるのだと感じてほしい」

大坂は、テニスチャンピオンという立場を活かし、警察による暴力や人種差別などの問題を訴えてきた。

ヌエラはそうした大坂をインスタグラムで称賛している。「わたしたちは、コート上で『ブラック・ライブズ・マター』を支持するマスクをつける女王、自身の心の健康をメディアの要求より重視する女王の、熱烈なファンだ」

大坂なおみ人形の発売にあたり、マテルは次のような声明を発表した。「バービーは、実在するロールモデルを讃えることに力を注いでいる......境界を突破し、次世代に刺激を与える女性たちだ」

マテルは、米国のサッカー選手アレックス・モーガンと、オリンピックにも出場したフェンシング選手イブティハージ・ムハンマドをモデルにしたバービー人形も発表している。

大坂は5月に全仏オープンの記者会見を拒否した後棄権した。6月にはツイッターでうつに苦しんだ過去を明かし、7月に米タイム誌に寄稿してその症状を明らかにさせようとする大会関係者やメディアのプレッシャーを感じたと書いた。

今月行われた全英オープンも欠場したが、大坂の代理人によると、今は東京五輪に向けて準備をしている。「なおみは、母国のファンの前でプレイすることを楽しみにしている」

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中