河野太郎の父・河野洋平等が建党百年に祝電――中国共産党万歳!
藤田氏の取材内容は上記「人民網」の3番目に書いてあり、彼は冒頭で「中国共産党は遠大なる理想を持っていて、自己の特殊利益を求めない。すべてが、人民に良い生活を送らせるためだ」と回答している。
何をおっしゃっているのだろう。
中国の現実を見たことがあるのだろうか?
中国共産党の歴史は、権力を維持・奪取するために裏切りと陰謀の限りを尽くした政党だ。政権を奪取した後に、自国の国民を7000万人以上も死に追いやった政党は、人類史上にないと言っても過言ではない。それが中国共産党だ(詳細は『裏切りと陰謀の中国共産党100年秘史 習近平 父を死に追いやった鄧小平への復讐』)。
香港における「人民の意見を無視し、民主を弾圧する現実」も目の前で進行しているではないか。
それらを見て見ぬ振りをして、中国になびいていく日本人の、なんと多いことか。
日本の霞山会も中国共産党建党百年に祝辞
中国では民間団体として表現されている日本の霞山会(一般財団法人)もまた、中国共産党建党百年を祝賀するメッセージを送っている。
そのことは河野洋平氏に関してご紹介した中国共産党新聞網の最後の段落の末尾から二人目の所に書いてあるので、ご確認をいただきたい。
霞山会の前身は1898年に設立された東亜同文会だが、上海に高等教育機関として東亜同文書院を設立した時期があった。
実は毛沢東が上海の岩井公館に派遣したスパイ藩漢年が親密にしていた岩井英一は、この上海同文書院と深く関係している。
そのようなことから霞山会には、何かしら奇妙な親しみがあって深い興味を持っているのだが、結局のところ、毛沢東が建国した中国共産党の国家に対して協力的であるというのがまた、なんとも興味深い。
日本中、どこもかしこも「中国共産党万歳!」
拙著『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』の第七章で、日本がいかに中国共産党の発展に寄与してきたかを書いたが、今もなお、日本の中国共産党への声援は途絶えていない。
なんと言っても自民党の大物議員である、あの二階幹事長が極端な親中であり、与党の公明党も野党もまた熱烈親中議員を擁しているとなると、何とも救われない。
日米やG7で対中包囲網形成のようなことを言っているが、信じられないのは、こういった現実があるからだ。
トランプ前大統領が久々に大勢のアメリカ国民(トランプ・ファン)の前でスピーチをし、開口一番、「どうだ、俺が恋しかっただろう!」とファンを湧き立たせた。
そのアメリカからの祝電は、今のところなさそうだ。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
[執筆者]遠藤 誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』(ビジネス社、3月22日出版)、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』、『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』,『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。
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