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育児休暇

「俺だって家事やってる」「なんでそういうことするの!」 夫が絶句する夫婦のかみ合わなさを証明したデータとは?

2021年5月30日(日)14時00分
前田晃平(マーケター/認定NPO法人フローレンス 代表室) *PRESIDENT Onlineからの転載

妻は娘の成長だけでなく、自身の身体の状態も加味して意思決定をしています。その時のおっぱいの生産量とか、乳首の状態とか(吸われ続けると皮がむけたり血が出たりします)、乳腺炎(乳腺が詰まっておっぱいが岩状態になったりヤバイ高熱が出たりします)とか、おっぱいには繊細な問題がたくさんあるからです(知らなんだ)。だから、私としては自分で調査したり考えたりしたことよりも、当事者である妻の意思を尊重しようと思いました。

すると、ミルクをあげる量やタイミングも、睡眠時間も、母乳を軸にして決まっていきます。ミルクをあげすぎるとおっぱいを飲まなくなってしまい、逆に少なすぎると体重が増えません。そして、授乳の時間が空いてしまうと、おっぱいが詰まって乳腺炎が悪化します。

私は妻の指示を待つことが増え、そのスタンスが身についてしまい、育児上の色々なシーンで「コマンド:待ち」を発動するようになりました。これが続くとどうなるか? そう、立派な「指示待ちマン」の出来上がり! 会社でいえば、一番ダメなタイプの奴です。

"指示待ちマインド"が妻の地雷を踏み抜く元凶

そして、最初はよかれと思って妻の意思を尊重していたのに、気がついた時には、育児に関する勉強や調査はほとんど妻がやるようになっていました。

そうした調査に基づいた妻の意思決定を、私は当然尊重するわけですが、この時点で妻と私の間には意識と知識に大きなギャップが出来上がっています。そしてこのギャップは私の行動となって表れ、妻の地雷を踏み抜くのです。

「なんでそういうことするの? ちょっと考えればわかるでしょ!」

でも、この時にはもう"ちょっと"考えてもわからなくなってしまっているのです......(涙)。この罠にハマっているパパは多いんじゃないかなぁ......。妻の意思を尊重するのは、間違っていると思いません。でも、仕事においても育児においても「指示待ちマン」はイケてません。

母娘がわんわん泣く修羅場のような授乳風景

とはいっても、こんなピリピリムードが続くと私だって落ち込みます。慢性的な寝不足で正常な判断力を失っているため、その落ち方は普段の比ではありません。

そもそも育休なんて取らなければ喧嘩なんて起こらなかったのではないか......? そっちの方がお互い精神衛生上よかったのではないか......? こんなふうに思ってしまったこともあります。

そうやってモヤモヤしていたある日の早朝。いつも通り、娘の泣き声で目が覚めました。ふらふらと起きだした妻が、おっぱいをあげようとします。

この時は、まだ娘も1カ月になっていなくて、おっぱいをうまく飲めませんでした。妻だって新人ママなので、うまくあげられません。しかも妻は乳腺炎を発症していて、授乳のたびに激痛が走っていた時期です。娘だけでなく、妻まで泣いてしまっていました。

おっぱいを飲みたいのに飲めない娘と、あげたいのにあげられないお母さん。母娘でわんわん泣きながらの、ひどい授乳の光景でした。テレビとかに出てくる神々しい母子の授乳シーンはいったいなんだったのか......。

育休はとらなきゃいけないものなんだ

私は慌てて、娘が少しでもおっぱいを飲みやすいように体勢のサポートをしました。授乳クッションでは高さが足りずに娘の頭の位置が低かったので、私が後ろから、頭を手で支えました。すると、なんとかチュパチュパと飲み始めてくれたのです。よ、よかった......と思って一息ついた時、妻が涙を流しながら「ありがとう」と言ってくれました。

この時、わかった気がしました。育休は、取りたいとか取りたくないとか、そういうものではなくて、取らなきゃいけないもんなんだと。喧嘩するくらい、いいじゃないか。それより、パートナーを子育てという戦場に、二人で戦おうと誓った戦場に、たった一人で孤軍奮闘させるわけにはいかない。そんな風に思うようになりました。

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