イランで同性愛の男性を親族が惨殺
Man Allegedly Beheaded by His Family for Being Gay
スペイン・マドリードのイラン大使館前でLGBT迫害に抗議する人々(2009) Susana Vera-REUTERS
<革命防衛隊から届いた兵役免除通知で同性愛を知った親族の男3人に首を切断された疑い>
イランで5月上旬、20歳のアリレザ・ファゼリ・モンフェアド(通称アリ)が、同性愛者であることを理由に殺害される事件があった。アリが同性愛を理由に兵役を免れたと知った男性親族3人が、彼の首を切って殺したものとみられている。
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報道によれば、イラン南西部アフワーズ出身のアリは、5月4日に殺害された。ロンドンに拠点を置くペルシャ語放送局のイラン・インターナショナルが8日に報じたところによれば、事件に先立ち、複数の親族がイラン革命防衛隊から送られてきた通知書を目にしていた。通知書には、アリの性的指向を理由に兵役を「免除」する旨が記されていた。
イランでは男性に2年間の兵役義務が課されているが、法律により「性転換などの道徳的・性的な堕落」が認められる者については、兵役を免除することが法律で定められている。通知書には、この法律に関する内容が含まれていたということだ。
イランではイスラム法の下で同性愛が禁止されており、違反した者は禁錮刑や鞭打ち刑、さらには死刑に処せられる可能性がある。
身の危険を感じていた
アリのパートナーだったアギル・アバヤットは人権報道機関のイラン・ワイヤーに対して、アリが最後に母親と話したのは5月4日の午後7時頃だったと語った。その後、彼は義理の兄弟と2人の従兄弟によって街から離れた場所に連れ出され、「首を切断された」という。
イランのLGBT権利擁護団体「6rang(6つの色)」によれば、アバヤットは、アリを殺した3人が彼の母親に電話をかけて、遺体のある場所を告げたと語った。母親はボルミという村にあるヤシの木の下に息子の遺体が置き去りにされているのを見つけた後、体調を崩して入院したという。
6rangは11日にNBCニュースに対して、これまでのところアリ殺害に関連して逮捕者は出ていないと述べた。
BBCペルシャ語放送は7日に、アリは家族から危害を加えられることを恐れて、パートナーと共にトルコに移住してヨーロッパに亡命を申請する計画を立てていたと報じた。
複数の人権団体や活動家、弁護士や政治家がアリ殺害を非難している。
カリフォルニア州議会のスコット・ウィーナー上院議員は10日、ツイッターに次のように投稿した。「またもやLGBTQのイラン人が、同性愛を理由に惨殺された。家族によって首を切断されたのだ。アリレザ・ファゼリ・モンフェアドは、パートナーと共に国外に脱出しようとしていたところだった。世界のあまりに多くの地域で、LGBTQの人々が危険にさらされている。私たちはそれを黙って見ている訳にはいかない」