迫る米軍のアフガン撤退 40年戦争の「正しい」終わらせ方
Leave Afghanistan As Planned
どちらも国内の政治的要因(パキスタンでは米軍駐留への反感、ウズベキスタンでは外国軍基地の禁止規定)が大きな障害となるだろうが、両国とも過去に米軍が駐留していた実績があり、対米関係は今のところ比較的安定している。両国政府の賛同が得られれば、後はアフガン政府の同意を得るだけだ。
ただし、以上の議論は本末転倒かもしれない。米軍駐留延長派の多くは、撤退すればアフガニスタンが国際テロの聖地となり、アメリカの国益と米本土が危険にさらされると警告している。
だが、弱体化した現在のアルカイダにアメリカへの攻撃を計画・実行する能力があるかどうかは疑わしい。ISも過去1年間にアフガン国内で勢力を後退させている。
アメリカは駐留米軍なしで対テロ作戦能力を維持する方法をあれこれ悩む前に、それが実際に必要かどうかをよく考えるべきだ。米軍が完全に撤退した場合、本当に国際テロのリスクが高まるのか、どのような要因がリスクを高めるのか──情報機関を通じて、それを精査する必要がある。
アフガニスタン問題では、アメリカにとって望ましい選択肢は存在しない。だが駐留延長がタリバンに拒否され、アメリカの新たな和平案が支持を得られない場合、「損切り」を決断して残存兵力を撤退させるべきだ。そして外交術と交渉材料をフル活用して、望ましくはないが最もましな選択肢に伴うリスクの軽減を図ることが必要だ。