米中「大荒れ」会談、注目されなかった王毅外相の重要発言
以前から中国の外交専門家は、非公式な形でアメリカ側の敬意の欠如に強い不満を漏らしていた。習近平(シー・チンピン)体制の中国は世界の大国になったという意識が強まった今、中国の外交当局者はアメリカに敬意ある態度を要請するのではなく、要求しているようだ。
王の別の発言は、会談前日に香港がらみの新たな制裁措置を決定したアメリカの行動が非難の応酬につながった可能性を示唆している。
王はこの措置に触れ、「アメリカは中国との交渉を有利に進めようとしたのかもしれないが、明白な計算ミスであり、アメリカ国内の脆弱性と弱さの反映にすぎない」と述べた。
自国の存在を絶対視する「勝利主義」が中国を支配している。そして、支配層の間では、アメリカは衰退の一途をたどり、中国の台頭は止まらないという意識が高まっている。
楊も王も、アメリカが対中関係で強い立場にあるとはみじんも考えていない。
要するに、中国は米中関係で自国が格下とは思っていないし、もはやその役割を演じる意思もない。これは習が国家主席に就任する前からの核心的主張だった。米中の「新型大国関係」という政権初期のスローガンがいい例だ。
中国はアメリカが納得しなくても、それを実行に移すつもりらしい。
From thediplomat.com
(3月23日発売の本誌「中国に勝てるのか」特集では、バイデン政権の対中政策を深掘り。ブリンケンはトランプの対中姿勢を「正しかった」と明言したが、新政権の支持層は関係改善を期待している。アメリカは中国の野望をどう止めるのか)

アマゾンに飛びます
2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら