「救急車のサイレンを止めろ」、コロナで浮かび上がるナポリの犯罪組織「カモッラ」の悪行
2021年3月19日(金)11時10分
コロナ禍がカモッラの活動を拡大させる
パンデミックが、カモッラの活動を拡大させていると危惧されている。コロナ禍による貧困の深刻化が大きな要因だ。
新型コロナ流行の前から、イタリア南部には不法就労者が100万人、カンパニア州だけでも40万人いると見積もられていた。公的には無職である彼らは、2020年春2か月に及んだロックダウンの間、収入もなく生活保護も受けることができなかった。
貧困は、犯罪組織がつけこむ最初の手がかりとなる。対マフィア専門の検察官フェデリコ・カフィエロ・デ・ラホは、「若者の中には、カモッラに頼ることが家族と共に生き延びる唯一の手段だと考える者がいる」と語っている(ユーロニュース)。
カモッラの実態を告発し、世界的に話題となった『死都ゴモラ──世界の裏側を支配する暗黒帝国』(ロベルト・サヴィアーノ)が刊行されてから15年、犯罪組織カモッラは衰えるどころか、コロナ禍の社会の混乱に乗じてさらにその活動を拡大させている。
Mafia exploiting coronavirus chaos in Italy
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