最新記事

ガイドライン

ワクチン接種後もマスクは必要? ディスタンスはどうなる? 米CDCガイドライン発表

2021年3月12日(金)15時30分
青葉やまと

移動・旅行は非推奨 矛盾に不満も

CDCのガイドラインに対し、アメリカ国内での反応はさまざまだ。とくに同指針は旅行など長距離の移動を控えるよう呼びかけているが、これは過度に慎重であり、より多くの自由を与えるべきだとする意見も見られる。

ウェン博士はCNNのインタビューのなかで、CDCが長距離移動を延期するよう呼びかけていることに対し、「これについて私はCDCのガイドラインと考えを異にします」と主張している。

ウェン博士が問題視するのは、CDC自身が出した方針のあいだに矛盾が見られる点だ。CDCは、2度のワクチン接種が済んだ人であれば、たとえ感染者と接触した場合でも隔離の必要はないと定めている。にもかかわらず、ワクチン接種を行った後でも、鉄道・飛行機・自動車などでの長距離移動はリスクが高いと位置付けている。このような判断は「常識的な考えに沿っているとは思えない」と博士は強く批難している。博士以外に、死活問題にあえぐ米旅行業界からも不満が噴出している模様だ。

同じ米メディアでも、ロサンゼルス・タイムズはより慎重な立場だ。ワクチン接種済みであればハグなどは問題ないとしながらも、不特定多数が集まるスーパーへの外出時などは、可能ならば二重のマスクを今後も着用するようアドバイスしている。

以上はあくまでアメリカでのガイドラインであり、現時点で日本国内に適用されるものではない。一方、ワクチンの浸透に伴う社会の変化を占ううえでは、ひとつの参考になりそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中