ワクチン接種後もマスクは必要? ディスタンスはどうなる? 米CDCガイドライン発表
移動・旅行は非推奨 矛盾に不満も
CDCのガイドラインに対し、アメリカ国内での反応はさまざまだ。とくに同指針は旅行など長距離の移動を控えるよう呼びかけているが、これは過度に慎重であり、より多くの自由を与えるべきだとする意見も見られる。
ウェン博士はCNNのインタビューのなかで、CDCが長距離移動を延期するよう呼びかけていることに対し、「これについて私はCDCのガイドラインと考えを異にします」と主張している。
ウェン博士が問題視するのは、CDC自身が出した方針のあいだに矛盾が見られる点だ。CDCは、2度のワクチン接種が済んだ人であれば、たとえ感染者と接触した場合でも隔離の必要はないと定めている。にもかかわらず、ワクチン接種を行った後でも、鉄道・飛行機・自動車などでの長距離移動はリスクが高いと位置付けている。このような判断は「常識的な考えに沿っているとは思えない」と博士は強く批難している。博士以外に、死活問題にあえぐ米旅行業界からも不満が噴出している模様だ。
同じ米メディアでも、ロサンゼルス・タイムズはより慎重な立場だ。ワクチン接種済みであればハグなどは問題ないとしながらも、不特定多数が集まるスーパーへの外出時などは、可能ならば二重のマスクを今後も着用するようアドバイスしている。
以上はあくまでアメリカでのガイドラインであり、現時点で日本国内に適用されるものではない。一方、ワクチンの浸透に伴う社会の変化を占ううえでは、ひとつの参考になりそうだ。