コロナ無策のトランプ政権は密かに集団免疫の獲得を目指していた?
HHS Adviser Told Health Officials to Use Herd Immunity
それでも、在任中にアレクサンダーが保健当局の幹部に集団免疫の確立を呼びかけたのは、トランプ政権がこの戦略を支持していたからだと、CDCの元幹部はポリティコに述べている。
「アレクサンダーはカプトの考えを代弁しているのであり、カプトは政権の考えを代弁しているのだ、という暗黙の了解があった」と、トランプの政治任用でCDCの要職に就いていたが、既に辞任したカイル・マッゴーワンは言う。「彼らは、われわれがそう受け取るよう望んでいた」
保健福祉省はマッゴーワンの発言を真っ向から否定し、政権の方針として集団免疫の確立を目指すことなど「絶対にあり得ない」と主張。「ポール・アレクサンダー博士は一時期、報道担当次官補の上級顧問を務めていたが、現在は本省に在籍していない」と、ポリティコに声明を寄せた。
トランプ政権は集団免疫の確立を目指す考えはないと、これまでたびたび主張している。
ケイリー・マクナニー大統領報道官は今年9月の記者会見で、「集団免疫理論なるものは、メディアが空想するおとぎ話にすぎず、ここホワイトハウスで真面目に検討されたことは1度もない」と語った。
さらに10月には、保健福祉省のアレックス・アザー長官が下院監視・政府改革委員会の公聴会で、「集団免疫はコロナウイルスに関する米政府の戦略ではない」と断言した。
本誌はアレクサンダーと保健福祉省にコメントを求めたが、現時点では回答を得られていない。