台湾外相が豪に支援要請、中国の侵攻回避で
Taiwan Calls on Australia to Help Prevent China War
台湾は挑発的と見なされる行動を避けようとしている、と呉は主張するが、中国政府は米台関係はすでに一線を越えていると見て、繰り返し警告している。
呉は、ジョー・バイデン次期大統領が提唱する民主主義国の連合に賛意を表明し、オーストラリアを含めて同じ志を持つ国々は中国の侵略に対抗するために協力すべきだと述べた。
「オーストラリアは、インド・太平洋地域を構成する強国だ」と、呉は言った。
「オーストラリアが(グローバルな)原則と価値観を守るために多くの犠牲を払ったことは、これまでの歴史で明らかだ。だから日本やオーストラリア、インド、アメリカなど、同じ志を持つ国々とも協力して中国の拡張主義の進展を防ぐことができると思う」
「私たちはこれまで一貫して、台湾の防衛はみずからの責任であり、自分の手で台湾を守ると明言してきた」と、呉は語った。その一方、「台湾とアメリカ、その他の同じ志を持つ国々がそれぞれに保有する中国に関する情報を共有できることを望んでいる」。
「なぜなら、わが国が中国について知っていること、認識していることだけでは十分ではないかもしれないからだ」
台湾海峡で紛争が発生した場合の軍事支援の見通しについて、オーストラリア軍を「頼みにしているわけではない」と付け加えた。
新型コロナ以来の犬猿の仲
オーストラリアは公式には、アメリカと同様、台湾を正当な政府とは見なさず、公式な外交関係を結ばない「一つの中国」原則を遵守している
だが中国からの圧力にもかかわらず、台湾とオーストラリアの「実質的な」関係を継続的に進展させる余地はあると呉は指摘した。
12月1日に中国外務省の趙立堅(チャオ・リーチエン)報道官がオーストラリア兵に関する偽画像をツイートして以来、オーストラリアと中国政府の間では非難の応酬が続いている。
オーストラリアのスコット・モリソン首相はこのツイートを「きわめて不快」と表現し、中国に謝罪を要求。中国政府はこれをはねつけた。何度も記者会見を開いて自国の立場を繰り返し表明、この画像はアフガニスタンにおけるオーストラリアの戦争犯罪疑惑に関する事実に即した描写であると主張した。
中国政府はかねてから、オーストラリアのワインに200%の関税を課すなど一連の制裁措置を取っていた。オーストラリアが中国を新型コロナウイルスの発生源として公式の調査を求めたことに対する報復だ。今回の偽画像問題で、豪中関係は一段と冷え込んだ。