最新記事

韓国

韓国メディアに激震 テレビ局CM売上激減、ニュース番組が導入したプレミアムCMとは

2020年10月5日(月)19時15分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

昨日放送された韓国『SBS 8 NEWS』のトップニュースは新型コロナ感染者について 『SBS 8 NEWS』画面よりキャプチャ

<人気キッズ・ユーチューバーが地上波局の売上を追い抜いたという報道も出て、放送界は売上増に必死>

「地上波放送局SBSが、ニュース番組の途中にCMを放送!」
これが韓国でトップニュースとして報道されると聞いて、驚かれる方も多いのではないだろうか? 日本では当たり前であるテレビ番組途中のCM放送が、韓国では今大きな波紋を呼んでいる。一体何が起こっているのだろうか。

今回問題になっている番組の中間に流れるCMは、PCM(プレミアム・コマーシャル)と呼ばれている。「プレミアム」と言われると何か特別なCMのような気もするが、CM自体は普通のもので、日本では一般的によく見る光景だ。視聴者がチャンネルを変えやすい番組前後のCMよりも、番組途中の方が高視聴率であり、ここで流れるCMを韓国ではPCMと呼んでいる。もちろん、一般CMより広告単価も高くなっている。

番組内CM解禁はわずか2年前から

韓国では1974年から、放送法により広告は番組の前後にだけ可能とし、番組途中に入れることは禁じられていた。しかし、2018年11月に一度規制が緩められ、ドラマやバラエティは、地上波放送局でも2部または3部で割って、その中間にPCMを放送するようになった。

ところが、報道番組での広告においては、これまでの番組前後につくCMですら世論の風当たりはきつく、批判が集まりやすかった。例えばある大企業の不正を報道すべきときに、その企業が番組スポンサーだった場合、公平に報道できるのか? という批判である。

このため公共放送のKBSの場合、ニュース番組が中心のKBS1では、CMが流れたとしても政府広報など公共広告のみで民間企業のCMは一切入れないという徹底ぶりである。

9月21日の放送からPCMの導入が始まったのは、SBS局のニュース番組『SBS 8 NEWS』である。韓国では、夜の8〜9時頃のゴールデンタイムから放送が始まるニュース番組は、その局の看板番組と言われているほど注目度が高く。この時間帯に1日の出来事をまとめて放送し、多くの韓国人が視聴する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

自公両党、物価高対策でガソリンの定額引き下げ提言 

ワールド

中国、ローマ教皇死去に哀悼の意

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、26年に2%に=ECB専門家調

ビジネス

米関税、景気後退で業績悪化 企業の5割超が懸念=ジ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 4
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 5
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 6
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 7
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 8
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 9
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中