アメリカ大統領選討論会、トランプとバイデンが対決 コロナ対応や最高裁判事人事めぐり激論
郵便投票
トランプ氏は郵便投票が不正につながるとの持論を改めて展開した。専門家は郵便投票による不正は極めてまれと指摘している。また最高裁が大統領選の結果を判断することになるかもしれないとの見解を示した。
「何万もの票が不正に操作されているのを見たら、受け入れることはできない」と語った。
トランプ氏は選挙に敗れた場合に平和的に政権を移譲することを約束していない。
バイデン氏は選挙結果の正当性が確認されるまで勝利宣言しないと言明した。自身が勝利したらトランプ氏を確実に排除すると約束した。
「われわれが票を集めれば、それで全てが終わる。彼(トランプ氏は)出ていく」と述べた。
トランプ氏が郵便投票に反対するのは票を数えることを「恐れている」ためと指摘し「裁判所が決着をつけなければならない事態を懸念している」と語った。
納税問題
バイデン氏は討論会に先立ち、自身の2019年納税申告書を公表。同氏陣営はトランプ氏も同じように公表するよう求めた。
米紙ニューヨーク・タイムズは27日、トランプ大統領が過去15年のうち10年間も所得税を納めておらず、2016、17年の連邦税納付額はそれぞれ、わずか750ドルだったと報じた。税金還付書類によると、数億ドル規模の課税所得を得ていたものの、事業損失との損益通算を行ったためという。
バイデン氏は討論会で、トランプ氏は「学校教師よりも納税額を少なくする」ために税法をずる賢く利用しようとしていた、と指摘した。
トランプ氏は数百万ドルの税を払っていると主張したものの、監査が終わるまで納税申告書を公表することはできないと述べた。また、実業家として納税額を少なくするために税法を活用したと述べた。
最高裁判事指名
トランプ氏は冒頭、最高裁判事指名を急いだ自身の決定について、前回選挙で勝利した「結果」であり、正当な権利があると主張した。
「ごく単純に言えば、われわれは選挙に勝利した。選挙には結果が伴う。われわれ(共和党)が上院とホワイトハウスを握っており、全ての人に尊敬されている素晴らしい候補がいる」と強調した。トランプ氏は今月死去したギンズバーグ最高裁判事の後任に、保守派のバレット連邦高裁判事を指名している。
これに対しバイデン氏は、ギンズバーグ判事の後任指名は11月3日の大統領選の勝者が明らかになってから行うべきだと訴えた。
バイデン氏は「選挙結果を待つべきだ」と述べ、最高裁の保守化が進めば医療保険制度改革法(オバマケア)の存続が危うくなると訴えた。
討論会の時間は90分。今回を含め計3回行われる。主催者によると、新型コロナ感染拡大を防ぐため、会場の聴衆は両候補の家族や選挙陣営スタッフ、記者など約80人に限られた。
*内容を追加しました。
【話題の記事】
・米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?
2025年1月28日号(1月21日発売)は「トランプの頭の中」特集。いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら