最新記事

スウェーデン

感染再拡大のスウェーデン、対策主導の疫学者がマスクの効果を疑問視

2020年8月31日(月)19時05分
スー・キム

スウェーデン市民はマスクに頼らず FREDRIK SANDBERG-TT NEWS AGENCY-REUTERS

<8月には欧州各地でも「反マスク運動」が頻発>

新型コロナ対策としてロックダウン(都市封鎖)を行わず集団免疫戦略を取るスウェーデンで、6月末以降減少傾向だった新規感染者が一転、8月初旬から再び増加している。公衆衛生庁は「新たな感染拡大の危機」と警告した。

そんななか、同国のコロナ対策を主導してきた疫学者アンデシュ・テグネルは、マスクの効果を疑問視する発言を続けている。8月後半の英紙インタビューで、「マスクが全てを解決してくれると信じるのはとても危険だ」と話した。「マスクは他の対策を補完するかもしれないが、マスクをすれば混雑したバスやショッピングモールに行けると考えたら大間違いだ」

カールソン公衆衛生庁長官もこれに同調。「スペインやフランスなどマスク着用を義務化している地域でも、感染が拡大している」と述べた。

ヨーロッパでは8月、各地でマスク強制への抗議活動が頻発。スペインやベルギーなどで人々がマスク着用義務化反対のデモを行っている。

<2020年9月8日号掲載>

【関連記事】中国製コロナ検査キットまた欠陥 スウェーデンで約3700人に偽陽性
【関連記事】スウェーデンは本当に「集団免疫」を獲得したのか 第二波におびえる日本の対策はそれより緩い

【話題の記事】
12歳の少年が6歳の妹をレイプ「ゲームと同じにしたかった」
コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
異例の熱波と水不足が続くインドで、女性が水を飲まない理由が悲しすぎる
介護施設で寝たきりの女性を妊娠させた看護師の男を逮捕

20200908issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米株式ファンドの資金流出、3カ月ぶりの大きさ トラ

ワールド

金総書記、ロシア高官と会談 「主権守る取り組み支持

ビジネス

トルコ主要株価指数、週間で08年以来の大幅安 政局

ビジネス

FRB当局者、政策変更急がずと表明 トランプ関税の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 5
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 6
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 8
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 9
    医師の常識──風邪は薬で治らない? 咳を和らげるスー…
  • 10
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 9
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 10
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中