最新記事

南アジア

インド洋の要衝スリランカは、連続爆破テロで親中国に回帰した

ISIS Church Bombs Help China Gain Indian Ocean Ally to America's Chagrin

2020年8月24日(月)19時00分
トム・オコナー

特に、ゴタバヤ・ラジャパクサが元海軍司令官のジャヤナス・コロンボー提督を上級外交官に任命したことを指摘し、それは「ラジャパクサ政権がいかにインド洋の地政学的支配に焦点を当てているか」を示していると語った。

スリランカが一帯一路に協力することにアメリカが反対するのも、南アジアの地域覇権を握ろうとする中国を押し返すためだ。中国にはそれを可能にするだけの経済力と、南シナ海で示した軍事的拡張の能力がある。

南アジアで一帯一路に対抗するアメリカの「自由で開かれたインド太平洋構想」には、オーストラリアや日本が加わっている。インドはもちろんその重要なメンバーだ。インド政府はラジャパクサ兄弟とは因縁付きの歴史を持ち、中国とは、アジアの2大国の衝突を象徴するような国境紛争の真っ只中だ。

マフエランとラナラジャは、スリランカはアメリカとインドを含む地域の大国すべてと関わりを持っていくだろうと予測しながらも、「親中とみられるラジャパクサ政権の下、中国の影響力が強まっていく」と見る。

アメリカとインドの接近は、インドの仇敵パキスタンとアメリカとの間に緊張をもたらしているが、そのパキスタンは既に中国と密接な協力関係にある。米政府とアジアの同盟国はその上、中国と手を結んだスリランカに対抗しなければならないのだ。

【話題の記事】
中国の三峡ダム、豪雨で危険水位20メートル上回る 設計最高水位に迫る
中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?
中国ステルス機2機が中印国境に到着、空中戦準備の可能性も
「一帯一路」参加でイタリアは中国の港になってしまうのか
日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

20200901issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

イスラエルがシリア攻撃強化、暫定政権に警告 トルコ

ワールド

ハンガリー、ICC脱退を表明 ネタニヤフ氏訪問受け

ワールド

ミャンマー地震、死者3000人超える、猛暑と雨で感

ビジネス

サントリーなど日本企業、米関税に対応へ 「インパク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 7
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中