インド洋の要衝スリランカは、連続爆破テロで親中国に回帰した
ISIS Church Bombs Help China Gain Indian Ocean Ally to America's Chagrin
特に、ゴタバヤ・ラジャパクサが元海軍司令官のジャヤナス・コロンボー提督を上級外交官に任命したことを指摘し、それは「ラジャパクサ政権がいかにインド洋の地政学的支配に焦点を当てているか」を示していると語った。
スリランカが一帯一路に協力することにアメリカが反対するのも、南アジアの地域覇権を握ろうとする中国を押し返すためだ。中国にはそれを可能にするだけの経済力と、南シナ海で示した軍事的拡張の能力がある。
南アジアで一帯一路に対抗するアメリカの「自由で開かれたインド太平洋構想」には、オーストラリアや日本が加わっている。インドはもちろんその重要なメンバーだ。インド政府はラジャパクサ兄弟とは因縁付きの歴史を持ち、中国とは、アジアの2大国の衝突を象徴するような国境紛争の真っ只中だ。
マフエランとラナラジャは、スリランカはアメリカとインドを含む地域の大国すべてと関わりを持っていくだろうと予測しながらも、「親中とみられるラジャパクサ政権の下、中国の影響力が強まっていく」と見る。
アメリカとインドの接近は、インドの仇敵パキスタンとアメリカとの間に緊張をもたらしているが、そのパキスタンは既に中国と密接な協力関係にある。米政府とアジアの同盟国はその上、中国と手を結んだスリランカに対抗しなければならないのだ。
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