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香港香港当局、メディア王の黎氏、活動家の周庭氏らを国家安全法違反で逮捕
香港のメディア王で著名な民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)(写真中央)が8月10日、香港国家安全維持法(国安法)の下、外国勢力と結託した疑いで逮捕された。写真は連行される黎氏(2020年 ロイター/Tyrone Siu)
香港のメディア王で著名な民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)が10日、香港国家安全維持法(国安法)の下、外国勢力と結託した疑いで逮捕された。香港における報道の自由などを巡る懸念が一層強まった。
香港警察は、外国勢力との結託を含む国安法違反の疑いで、現地の23─72歳の男9人と女1人を逮捕したと発表したが、逮捕者の名前は公表しなかった。捜査は継続中で、逮捕者が増える可能性もあるとした。
こうした中、地元メディアなどによると、著名な民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(23)も国安法違反の容疑で逮捕された。
黎氏のメディア企業、壱伝媒(ネクスト・デジタル)傘下の蘋果日報はフェイスブックのページで、警察が社内に入り、従業員の詳細を記録する様子をとらえた動画を生配信し、黎氏が10日朝に自宅から連行されたと報じた。黎氏はその後、オフィスに連れていかれた。到着時には手錠をされていた。
蘋果日報の編集長はロイターに対し、当局の捜索でひるむことはないとし「いつも通りだ」と語った。
同紙によると、黎氏の息子のイアン氏も自宅で逮捕され、その後、同氏のレストランが家宅捜索を受けた。
蘋果日報の関係筋によると、警察の捜査の対象には壱伝媒の他の幹部らも含まれており、自宅が捜索を受けているという。
壱伝媒の株価は一時16.7%急落したが、その後急反発し300%高。
エバーブライト・サンフンカイのアナリスト、ケニー・ング氏は「市場は最悪局面が過ぎたと考えている可能性がある」と述べた。
非営利団体ジャーナリスト保護委員会(CPJ)アジアプログラムのスティーブン・バトラー氏は黎氏の逮捕について、「香港国安法が民主派による批判的な意見を抑圧し、報道の自由を制限するために利用されるという、最も恐れたことを裏付けるものだ」と述べた。
台湾の蘇貞昌行政院長(首相)は「中国は香港をこのように扱うべきでない」と述べた。
米政府は7日、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。
中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙「環球時報」の胡錫進編集長はツイッターに、黎氏の逮捕は香港が米国の制裁におじけづいていないことを示すと投稿した。
中国の国務院香港・マカオ事務弁公室の報道官は国営新華社通信に対し、黎氏の逮捕を支持すると表明。黎氏は反中国、反香港の代表格であり「厳罰に処すべき」とした。
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