「禁断」のタイ王室批判で1976年の惨劇再び?
ところが、王室支持派は、当時の皇太子(現在の国王)の絞首刑を表現したものだと批判。警察と王室支持派の武装勢力がキャンパスを襲撃し、学生たちに暴力を振るい、性的暴行やリンチを行った。
当局によれば、これにより46人が死亡、167人が負傷したとされているが、実際には少なくとも100人以上が死亡したとみられている。軍は、学生たちの活動を王室に対する脅威だと批判し、10月6日にクーデターにより政権を奪取した。
この惨劇から30年以上。いま再びタマサート大学のキャンパスを舞台に、学生たちがタイ最大のタブー、すなわち王室批判を展開している。
軍の支持を受けたプラユット政権と王室支持派は、今のところ抑制的な対応を取っている。しかし、政府とその支持勢力が活動家たちの要求を突っぱねれば、1976年のような惨劇が再び起きないという保証はない。
From thediplomat.com
<本誌2020年9月1日号掲載>
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