地球温暖化は+4.8℃の最悪シナリオへまっしぐら?
'If RCP8.5 Did Not Exist, We'd Have to Create It' For 2050 Climate Change
研究チームは、RCP8.5は短期的な気候を評価する上で重要なシナリオであり、「起こりそうもない事象」として否定すべきではないと主張。シュワルムは、ネイチャーの解説記事はシナリオの組み立て方法に焦点を当てた内容だが、「私たちは今ここにある現実の気候リスクを懸念している」と述べた。
気候変動に関する多くの予測モデルは、2100年の気候がどうなっているかに焦点を当てたものだ。シュワルムと同僚の科学者たちは、そこまで先に焦点を当てる考え方は必ずしも有益ではないと主張。さまざまな社会的決定を下していくためには、より短期的なアプローチの方が有益だと指摘した。
「2100年は今から80年後だ」と彼は述べた。「1940年当時の若者に、2020年のことが予想できただろうか。30年後の予想の方が、まだ現実味がある」
シュワルムは、2100年までにRCP8.5シナリオの想定が現実になっていることはないだろうと「用心しつつも楽観的な見方」をしていると語った。それでも、RCP8.5シナリオを否定することは間違いだと研究チームは主張する。「2005年から2020年までの合意やRCP8.5シナリオの二酸化炭素累積排出量、現在の各国の政策と同シナリオが想定する2050年までの二酸化炭素排出量予測は一致する。それを考えると、気候変動の影響やリスクを考える上で、RCP8.5シナリオが最も役に立つ。もしもRCP8.5シナリオがなかったら、私たちが同様のものを作成していただろう」
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