最新記事

人種問題

トランプ、警官の暴力問題で「白人の方が多く殺されている」 CBSのインタビューで

2020年7月15日(水)10時25分

トランプ米大統領は、CBSニュースとのインタビューで、黒人に対する警察の暴力の問題について、警官によって殺されるのは白人の方が「もっと多い」と述べ、黒人を特別視しない姿勢を示した。ホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ米大統領は14日、CBSニュースとのインタビューで、黒人に対する警察の暴力の問題について、警官によって殺されるのは白人の方が「もっと多い」と述べ、黒人を特別視しない姿勢を示した。

トランプ氏は、黒人がいまだに当局の手で殺されているのはなぜかと問われ、「白人も同じだ。何てひどい質問だ。むしろ白人の方が多い」と強調した。

米国では5月に起きた白人警官による黒人のジョージ・フロイドさんの暴行死を受け、黒人に対する警察の暴力に世論の注目が集まり、抗議活動が国内外で広がった。

13日に公表された米紙ワシントン・ポストの分析によると、米国の警察によって銃殺される人々の半分は白人だが、黒人は米人口全体に占める比率が13%弱と低く、黒人人口に警察に銃殺される人が占める割合は白人の2倍以上だという。

最近のデモを受けて、一部地域で続けられている、南北戦争で奴隷制度の存続を主張した南部連合(南軍)の軍旗掲揚の慣習を維持すべきかどうかや、南軍関係者の像を撤去すべきかを巡り議論が強まった。

トランプ氏はCBSのインタビューで南軍旗を撤去すべきかどうか問われ「南軍旗を好きな人々を知っているが、奴隷制度が頭にあるわけではない」と応じた。その上で、南軍旗の問題にせよ「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」にせよ「言論の自由」があると続けた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・イエス・キリストは白人から黒人に戻る?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・「ベートーベン黒人説」の真偽より大事なこと
・インドネシア、地元TV局スタッフが殴打・刺殺され遺体放置 謎だらけの事件にメディア騒然


20200721issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月21日号(7月14日発売)は「台湾の力量」特集。コロナ対策で世界を驚かせ、中国の圧力に孤軍奮闘。外交・ITで存在感を増す台湾の実力と展望は? PLUS デジタル担当大臣オードリー・タンの真価。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ルビオ米国務長官、10─12日にサウジ訪問 ウクラ

ビジネス

米ナスダック、24時間取引導入へ 米株需要高まり受

ワールド

イラン最高指導者、米との交渉拒否 圧力に反発

ビジネス

中国CPI、2月は0.7%下落 昨年1月以来のマイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    ラオスで熱気球が「着陸に失敗」して木に衝突...絶望的な瞬間、乗客が撮影していた映像が話題
  • 3
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手」を知ってネット爆笑
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 6
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 7
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 8
    中国経済に大きな打撃...1-2月の輸出が大幅に減速 …
  • 9
    鳥類の肺に高濃度のマイクロプラスチック検出...ヒト…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 6
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 7
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中