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感染症対策英首相ジョンソン「社会的距離」対策の見直し検討 入国者の隔離措置修正も
ジョンソン英首相は6月14日、新型コロナウイルス対策として導入したロックダウン(都市封鎖)の一段の緩和を控え、2メートルのソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を確保する規則について見直しを進めていることを明らかにした。ロンドンのオックスフォードストリートの店舗で同日撮影(2020年 ロイター/Hannah McKay)
ジョンソン英首相は14日、新型コロナウイルス対策として導入したロックダウン(都市封鎖)の一段の緩和を控え、2メートルのソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を確保する規則について見直しを進めていることを明らかにした。
イングランドでは7月4日からバー、レストラン、美容院の営業再開を認める予定。
企業経営者からは2メートルの社会的距離を確保する規則で、速やかな業務再開が難しくなるとの声が出ている。
同首相は、感染症対策が進んでいることから、この規則を「調整する余地」があると発言。「常に科学者と緊密に連携し、安全・健康・感染終息を重視して適切な決断を下す」と、来週の営業再開に向けて準備を進めているロンドン東部のショッピングセンターで述べた。
これに先立ち、スナク財務相はスカイ・ニュースに対し、科学者と経済学者の意見を聞き「あらゆる角度から」見直しを進めると発言。社会的距離の規制を緩和すれば、パブが直ちに恩恵を受けると述べた。
同相は2メートルの社会的距離を確保する場合、全体の3分の1しか業務を再開できないが、この規制を緩和した場合、全体の4分の3が業務を再開できる可能性があるとしている。
同相は、航空会社が反発している入国者に対する14日間の隔離措置についても、感染が収束した国同士だけで往来を認める旅行者の「回廊」構想など、変更を加える可能性があると述べた。
同相は、消費を喚起するため、付加価値税(VAT)を引き下げる可能性はあるかとの質問に、VAT引き下げは過去に実施したと指摘。
「この問題について議論する前に、まず店の営業を再開する必要がある。店が休業していれば、VATを引き下げても無意味だ」と述べた。
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