仕事への集中を邪魔するスマホは大敵、ではどうすればいい?
どこにでも持ち運べるスマホは現代最強の情報源 apichon-tee/iStock.
<現代の最強の情報源であるスマホは、情報がどんどん入ってくるので、目に見えるところにあるととにかく気が散ってしまう>
複数のタスクを同時並行でこなす「マルチタスク」ではなく、一つの事柄に集中して着実に処理をする「ワンタスク戦略」――それを繰り返すことで「確実な成果」を必ず手にすることができ、効率よく仕事を進めることも可能になる。
この「一点集中」を実践して成果を挙げているのが、司法書士や監査業務、講演、経営など、多様な能力が求められる仕事を同時並行で進めている碓井孝介氏。その経験・実践に基づくスキルを著書『図解でわかる 一点集中のすごいコツ』(CCCメディアハウス)で公開している。
その一部を抜粋し、3回に分けてこちらで掲載する。今回はその第3回。
*抜粋第1回:「マルチタスク」など存在しない、効率がいいのは一つのタスクに集中する「ワンタスク」
*抜粋第2回:「最強の時短仕事術」で、毎朝やるべき1つのこと
Task Rule 19 スマホは大敵、できれば違う空間に
◆情報の流入を阻止する
ワンタスク戦略を実現するために、思考の対象を減らし、意識が目の前のタスクから離れないようにします。
思考の対象を減らすためには、流入する情報をコントロールし、その量自体を減らしてしまいましょう。考え事をする際の前提になるもの自体を減らす、というわけです。
情報をコントロールし、入手する情報量を減らす工夫は、一見するとよくないことのように思えます。世の中には「持っている情報量が多い=できる人」とみなす風潮があるためです。
しかし、そんな思い込みは捨てましょう。目の前にあるタスクを一つひとつこなすことが大切なのであり、情報に疎くても成果は出せるのです。
ところで、昨今においては、情報は主にスマートフォンを使って入手する人が大半です。テレビや新聞、パソコンよりも、どこにでも気軽に持って運べるスマホこそが、現代において最強の情報源なのです。
「最強の」情報源であるスマホは、一点集中でタスクをこなすことを心がける私たちにとって、「最恐の」情報源であることも忘れてはいけません。情報がどんどん入るスマホのせいで、とにかく気が散ってしまう......。これは、あなただけではないのです。
スマホから逃れる最も効果的な方法は、スマホを持たないことです。しかし、現代人の都合上、そうも言っていられません。ここでは、一点集中のためのスマホとのつきあい方を提案します。
◆アナログ化のすすめ
スマホに集中状態を邪魔されないようにするためには、スマホを極力使わない(手に取らない)工夫が大切です。使ってしまうと、SNSのメッセージや最新ニュースなど余計な情報まで見てしまい、思考がそれてしまいます。
スマホから逃れるために、スマホでしていたことも、今後は極力アナログで行うことが有効です。
たとえば、予定の管理はスマホのアプリを使うのではなく、あえて紙の手帳を使います。数字の計算をするときは、スマホの電卓機能を使うのではなく、リアル電卓を使うのです。
アナログのモノは、手帳なら予定管理、電卓なら計算というように、その用途でしか使うことができません。用途が限られているからこそ、ほかの情報が入ってくることがなく、目の前のタスクから思考が離れにくくなるのです。