国防総省も寝耳に水、トランプのドイツ駐留米軍削減計画に青ざめるNATO同盟国
Trump's Plan to Pull Troops from Germany 'Massively Disruptive'
米陸軍欧州部隊および第7陸軍の元総司令官マーク・ハートリングはツイッターで、冷戦中には平均約27万人もいたドイツ駐留米軍が、1990年代には9万人、そしてジョージ・W・ブッシュ大統領の時代に3万人まで減少したことを指摘した。
「見方が偏っていることはわかっているが、司令部を去った2012年には欧州の駐留米軍は筋肉隆々で、無駄がなく、規模を超えた戦闘力を誇っていた。だが部隊の規模がさらに1/3に縮小すれば、任務の遂行がかなり困難になるだろう」
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のカリン・フォン・ヒッペル事務局長は、詳細が発表されるまで、この計画はトランプが自分の支持者層にアピールするためのものにすぎないように見えると語り、いずれにせよ国防総省がそのような計画に全面的に加担する可能性は低いと述べた。
「大局的に見れば、問題は11月の大統領選挙の結果だ。トランプが再選されたら、何もかもが宙に浮くだろう。NATOとアメリカとの関係にように」と、ヒッペルは本誌に語った。
「アメリカのパートナーとしての信頼度はどんどん下がっている。多くの同盟国がトランプによる被害を最小限に抑えるための独自の方法を編み出そうとしている。トランプが再選された場合にはどうなるか様子を見つつ、不測の事態に備える準備を始めるだろう」
(翻訳:栗原紀子)
2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」