最新記事

イギリス

英首相ジョンソン「新型コロナのピーク過ぎた」 都市封鎖の緩和策公表へ

2020年5月1日(金)10時54分

英国のジョンソン首相は30日、国内の新型コロナウイルス流行はピークを過ぎたとし、来週にもロックダウン(都市封鎖)措置の出口戦略を発表すると述べた。官邸提供写真(2020年 ロイター)

英国のジョンソン首相は30日、国内の新型コロナウイルス流行はピークを過ぎたとし、来週にもロックダウン(都市封鎖)措置の出口戦略を発表すると述べた。

ジョンソン首相は27日からの職務復帰後初となる記者会見で、「感染症のピークが過ぎたことが今日初めて確認された。ピークを過ぎ、下向きの動きになっている。長期的に希望が持てる多くの理由がある」と指摘。

英国で確認されている新型コロナウイルス感染症による死者は累計で2万6771人に達し、欧州では2番目の多さとなった。

ジョンソン氏は政府の新型コロナ流行への対応について、「制御不能で壊滅的な感染拡大は回避した。最悪ケースで50万人の死者が出ていた可能性が十分にあった」と述べ、妥当だったとの認識を示した。

また今後について、「コントロールを失わず、感染第2波に直面しないことが重要だ」と強調した。

その上で、ロックダウン措置を緩和する方法の「選択肢一覧」を来週提示すると表明。具体的な日程は科学的な助言とデータに基づくとした。

さらに、次の段階では顔を覆うマスクなどの着用が有益になるかもしれないと指摘。英政府は従来、国民にマスク着用を呼び掛けるだけの十分な根拠がないとの立場だった。

「ロックダウン解除に当たり、顔を覆う布は疫学的理由だけでなく、人々が職場復帰する際に安心感を得るためにも、有益になると思う」と述べた。

社会的距離確保の措置を安全に緩和するためには新型コロナ検査の拡充も鍵となる。政府は今月末までに、1日当たりの検査数を10万件に増やす目標を掲げていた。

最新のデータによると、現地時間30日午前9時までの24時間に実施された検査は8万1611件に上り、前週から大幅に増えたが、目標は下回った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・政府、緊急事態宣言を全国一律1カ月程度延長へ 明日の専門家会議で判断
・韓国そして中国でも「再陽性」増加 新型コロナウイルス、SARSにない未知の特性
・東京都、新型コロナウイルス新規感染46人確認 都内合計4152人に
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏メディア企業、暗号資産決済サービス開発を

ワールド

レバノン東部で47人死亡、停戦交渉中もイスラエル軍

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中