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感染症対策EU、加盟国に新型コロナ感染者の追跡アプリ導入要請 懸念はプライバシー問題
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欧州連合(EU)欧州委員会は13日、加盟国政府に対し、スマートフォンを使って新型コロナウイルス感染者の接触者を追跡するアプリを導入するよう求めた。任意利用が前提となる。4月30日、スイスで撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)
欧州連合(EU)欧州委員会は13日、加盟国政府に対し、スマートフォンを使って新型コロナウイルス感染者の接触者を追跡するアプリを導入するよう求めた。任意利用が前提となる。国境封鎖を解除し、域内の観光・旅行業界を再活性化する取り組みの一環。
個人追跡アプリを採用することで、新型コロナ感染の第2波を発生させることなく国境封鎖が解除できると期待されているが、利用者のプライバシーが侵害され、感染終息後も政府の監視下に置かれるとの懸念がある。
EU諸国で開発されているアプリは近距離無線のブルートゥースを利用し、新型コロナ感染者と接触した人たちを特定する方式となっている。
欧州委は声明で、追跡アプリは任意かつ時限的な利用となり、透明性とセキュリティーが確保され、匿名のデータが用いられるべきだとし、プライバシーを巡る懸念に配慮を示した。また、ブルートゥースを利用し、越境運用が可能で、スマホの基本ソフト(OS)を問わずに使える必要があるとした。
欧州委はまた、開発業者が相互に互換性があり、EU全域で使えるアプリを設計できるように指針を示した。利用者が域内のどこにいるかにかかわらず、感染者と接触したとの通知を受け取れるようにするという最低限の要件が盛り込まれたほか、保健当局がアプリを通じて利用者に検査の陽性結果を知らせたり、感染リスクを点数で示したりできるようになる必要があると指摘した。
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