最新記事

2020米大統領選

新型コロナが握る米大統領選の行方──トランプの再選戦略は

The Coronavirus Campaign

2020年4月15日(水)15時40分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

トランプの定例会見は大変な注目を集めている。3月23日の会見をケーブルテレビで見た人は実に約1220万人。さらに主要ネット局で数百万人が見ている。

危機的な状況が進むにつれてトランプ陣営は、選挙専門家が言う「アーンド・メディア」(自陣営の発信ではなく、既存メディアによる発信やSNSなどを通じた市民のメディア活動)の大きな恩恵にあずかっている。陣営では会見の視聴者が減り始めない限り、わざわざ選挙CM(こちらは「ペイド・メディア」と呼ばれる)を出さなくてもいいと考えている。

さらにトランプ陣営は、トランプがホワイトハウスから長時間にわたって熱弁を振るえば、コロナ禍のために集会も開けないバイデンが自宅の地下室から動画で支持を訴える姿とは全く対照的に映り、自陣営に有利に働くとみている。バイデンの戦いぶりは「笑えるほどお粗末だ」と、あるトランプ陣営関係者は言う。

だが方針転換したトランプ陣営の戦略も、長くは持たない。選対本部では、今後打ち出す予定だった多くのネガティブ広告を使うのか、それともポジティブな「最高司令官」というイメージを強調するのかが議論の的になっている。ネガティブ広告のテーマは単純明快。バイデンは大統領に適任ではない、今のような危機のただ中ではなおさらだ──。

昨年流れた選挙CMを焼き直すことにもなりそうだ。医療保険に不法移民の加入を認めるかどうか民主党の大統領候補たちに挙手で答えさせた場面を使ったものだが、新CMではおずおずと手を挙げて賛成の意を示すバイデンに焦点を当てるだろう。

トランプがいずれネガティブ広告を認めるのは間違いない。なにしろ民主党系の特別政治活動委員会(スーパーPAC)が、新型コロナウイルス問題への対応について一斉攻撃を仕掛けている。例えばスーパーPACのプライオリティーズUSAアクションは、主要な激戦州で600万ドルを投じ、トランプが当初ウイルス問題を軽視したことを批判した。

そこでトランプ陣営は3月26日、プライオリティーズのCMを流すテレビ局を訴えるという脅しを掛けた。大統領は新型コロナウイルスのことを「でっち上げ」などと言っていないというのが、その理由だ。

秋には空気が変わっているか

トランプ陣営は、バイデンが自分なら新型コロナウイルス危機にどう対処するか語った内容について、その多くは既にトランプがやっていると主張する。「バイデン案は二番煎じで、遅過ぎる」と、陣営の広報担当アンドルー・クラークは言う。じきにCMでもそう主張するだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GM、インディアナ州工場で生産拡大 トランプ大統

ビジネス

アングル:日本の不動産は「まだ安い」、脱ゼロインフ

ビジネス

米モルガンSが日本特化型不動産ファンド、1000億

ワールド

中国格付け、公的債務急増見込みで「A」に引き下げ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 3
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中