最新記事

症状

新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?

Is Eye Pain a Symptom of Coronavirus? Google Searches for 'My Eyes Hurt' up

2020年4月10日(金)14時15分
ハナ・オズボーン

新型コロナウイルスは目から感染する可能性もあるのだが ViDi Studio-iStock.

<感染多発地域で「目が痛む」と検索する人が増えていると、グーグルの元データサイエンティストが指摘。感染者は最初に眼科医を訪ねる可能性もある>

新型コロナウイルスの感染者が多い複数の地域で、「目が痛い」とグーグル検索する人が増えているらしい。

かつてグーグルのデータサイエンティストだったセス・スティーブンズ・ダビドウィッツは、検索トレンドをチェックしていて、過去2週間で目の痛みについて調べる人が急増していることを発見した。ニューヨーク・タイムズ紙に投稿した記事の中でダビドウィッツは、「目が痛い」という検索は、新型コロナウイルスの感染率が高い地域に「ほぼ集中」していた、と指摘した。感染拡大震源地のニューヨークやニュージャージー、コネチカットなどの地域だ。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が目にどのような影響をもたらすかはまだ分からないないが、結膜炎がこの感染症の症状のひとつだと示唆する研究結果もある。米国医師会報の眼科専門誌に発表された研究報告によれば、中国の研究チームがCOVID-19の患者38人を調べたところ、12人に目の異常が認められた。涙の量が増えたり、結膜が充血したり腫れたりする(浮腫)などの異常が、COVID-19の症状がより進行した患者に多かったということだ。

充血とも違う?

またCOVID-19の患者の治療に携わっているある看護師は、重症患者の多くに目の充血がみられると言っている。ワシントン州の高齢者施設に勤めるチェルシー・アーネストはCNNの取材に対して、「(目の充血は)全ての患者にみられた症状だ。アレルギーのような感じで、白目が充血するのではなく、目の周りに赤いアイシャドーを塗っているような感じになる」と語った。

新型コロナウイルスに感染した患者の1~3%に、こうした目の赤みが現れると考えられている。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に発表された研究報告によれば、中国の研究チームがCOVID-19の患者1000人以上を対象に行った調査で、患者のおよそ0.8%に「結膜の充血」がみられたという。

もっとも、スティーブンズ・ダビドウィッツが発見したのは、目の「赤み」ではなく目の「痛み」だ。「私が調べたところでは、痛み以外の目の異常に関する検索は、COVID-19の発生率とほとんど、あるいは全く関係がなかった」と彼は書いている。

<参考記事>新型コロナウイルス感染症で「嗅覚がなくなる」という症例が多数確認される
<参考記事>新型コロナウイルス、男性の死亡リスクが高い理由

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「黒海・エネルギー停戦即時発効」、ロ

ワールド

ロシア大統領府、黒海の安全航行確保などの合意を確認

ワールド

ウクライナ、米仲介の対ロ停戦合意を支持=国防相

ワールド

米アップル、ブラウザー巡るEUの制裁金を回避の見込
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 10
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 6
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中