最新記事

感染症対策

韓国、新型コロナウイルス対策で教会などの集会制限緩和へ 社会的距離の措置は16日間延長へ

2020年4月20日(月)10時35分

韓国当局は19日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)政策の実施をさらに16日間延長する一方、教会での行事やスポーツイベントに対する制限を一部緩和する方針を示した。写真は4月8日、ソウルの石村湖で撮影(2020年 ロイター/Heo Ran)

韓国当局は19日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)政策の実施をさらに16日間延長する一方、教会での行事やスポーツイベントに対する制限を一部緩和する方針を示した。

保健当局の発表によると、新型コロナの新規感染者は8人で、2月18日以来の低水準だった。感染者は合計1万0661人となった。これまでの死者は234人。

丁世均首相は「厳格なソーシャル・ディスタンシング政策の維持が最も安全な方法だが、現実的ではない。現在の水準で感染を抑え続けられれば、5月6日から『通常の』ソーシャル・ディスタンシング政策に移る」と語り、経済再開に向けて感染防止のための制限を一部緩和する方針を示した。

韓国では3月に行政命令により、教会での行事やスポーツ・娯楽施設の営業が停止された。

制限の一部緩和により、これらの施設は感染防止ガイドラインに従うことを条件に活動の再開が認められ、プロ野球リーグなどのスポーツ競技は、無観客での試合再開が可能になるという。

韓国の新型コロナ新規感染者は、このところ20人前後で推移している。

保健当局は、感染ペースの鈍化傾向は好ましいとしつつも、過度に楽観すべきではないと警告。保健当局トップは会見で「新規感染を見逃しているケースがないか、無症状あるいは軽症の感染者によって感染が拡大する可能性がないかどうかを引き続き警戒している」と語った。

一方、文在寅大統領は19日、新型コロナ終息に向けた韓国の前進は、この感染症を「克服できる」という希望を他の国々に与えたと発言。「政府は国民とともに、新型コロナ終息後の日常生活と新たな世界秩序に向けて準備を進める」と語った。

トランプ米大統領は18日、文大統領と電話で会談し、米国の新型コロナ検査キットの調達を韓国が支援したことに謝意を示した。

[ソウル ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス、なぜ再び陽性になる? 韓国で進む研究と新たな疑問
・イタリア、新型コロナウイルス死者増加が小幅加速 全土封鎖の成果いまだ出ず
・国連「アフリカ、新型コロナウイルスで30万人死亡・2900万人が極度貧困の恐れ」
・新型コロナウイルス、モノの表面にはどのくらい残り続ける?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中