韓国、新型コロナウイルス対策でも役立った個人情報公開 性犯罪者はネットで住所も丸裸
性犯罪の予防教育や緊急時の連絡先なども掲載
また、行政のホームページといえば堅苦しく難しい用語が並んでいるイメージだが、ここでは分り易くWEB漫画などで説明を描くなど工夫がみられる。
さらに「アルリムE」では犯罪者検索だけではなく、性犯罪の予防教育や緊急の場合の連絡先なども載っていて充実した内容となっており、友人や恋人にサイトの存在を教えあっているようだ。
このようにサイトの利用者が増え知名度も上がると、犯罪者側も長期間個人情報公開の恐怖心もあり、出来心の抑制にはなっていると思われる。
一部では時代にそぐわない部分も
一方で、「アルリムE」では全体が被害者イコール女性という認識を植え付けかねない箇所がいくつかある。確かに、このホームページサービスが開始されたのは2010年であり、韓国で「性暴力の被害者は女性だけではない」と言う法律が改正されたのは、その3年後の2013年6月だ。しかし今や性犯罪は性別では分けられない時代といえる。
さらに、もしも犯罪者も罪を償い、社会復帰しようとした場合でも過去が付きまとい、うまくいかない可能性がある。同様に犯罪者の家族も周りから白い目で見られることによる問題もある。
そして、検索した側も注意が必要だ。もしも検索した結果をキャプチャーしてSNSにアップするなど、共有してしまうと処罰される可能性がある。これは「児童・青少年の性保護に関する法律第55条(公開情報の悪用禁止)」により、「性犯罪歴は確認する目的にだけ使わなければならない」と決まっており、犯罪者の個人情報をシェアした場合、5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金刑になる。
実際、2016年1月には未成年者性犯罪者のオンラインにアップした30代2人組と、6月にはアルリムEの犯罪者個人情報ページを撮影し友人に送った人が罰金刑に処されている。
いくら掲載期間があったとしても、一度掲載されてしまうとデジタルタトゥーとなってこの犯罪歴は一生消えることはない。ここまで徹底的に公開されると犯罪の抑制にはなっているかもしれない。さらに児童がいる家庭では犯罪に巻き込まれないよう予防もできる。
しかし、一番望ましいのは性犯罪がすべてなくなりこのようなHPの存在が必要なくなることだ。もしも、それが難しいのなら、加害者のプライバシー権利よりも被害防止を優先されるこの方法は良策なのかもしれない。
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