韓国、新型コロナウイルス対策でも役立った個人情報公開 性犯罪者はネットで住所も丸裸
「猟奇ウサギ殺人事件」を取り上げた韓国の犯罪追跡番組とその後の騒動は、韓国の性犯罪についての厳しい対応を垣間見せた。 그것이 알고싶다 공식계정 / YouTube
<便利であれば個人情報もどんどんオープンにする国は、グルメ情報のように性犯罪者について調べることも可能だ>
今回の新型コロナウイルスのパンデミックでは、韓国の感染拡大とそれに対する素早い対応が日本でも広く報道されているが、特に大邱市の大規模感染が出始めた当初、感染者の足取り公開はまるで追跡調査と思えるほど詳細で、韓国の対策の徹底ぶりにそこまで公にするのかと驚かれた人もいただろう。
しかし、こういった情報の公開というのは韓国では当たり前。感染症対策だけではなく、会社用の名刺に個人用携帯番号を載せていたり、路上駐車した車に携帯番号を書いておき、車の移動をしたい時はその番号に電話を掛けるようにするなど、日本とは個人情報に対する感覚が違っているように感じる。
「新亭洞 2人組 強盗強姦犯」で検索
今年の1月11日、韓国のドキュメンタリー番組『그것이 알고싶다(それが知りたい)』では15年前の未解決事件に追った内容を特集したが、放送終了後、番組内で紹介したあるサイトにアクセスが集中してしまい、サーバー・ダウンしたという。そのサイトが「性犯罪者アルリムE」だ。
この日の放送では、2005年から2006年にかけてソウル市新亭洞で発生した連続殺人事件と誘拐未遂事件が取り上げられた。2015年に一度放送され、今回はその続編にあたる。前回の放送では、誘拐被害者の女性が「犯人の家には"猟奇ウサギマシマロ"(韓国発のウサギのキャラクター)のステッカーが貼られた靴箱があった」と証言したことから、この事件は通称「猟奇ウサギ殺人事件」として知られるようになった。
それから5年が経ち、今回の放送では、犯人を見たという証言者たちの声を集め、モンタージュを作成しテレビで公開。さらに番組後半では、釜山のある警察官が登場し、以前ソウル新亭洞で発生した2人組の強盗強姦犯が猟奇ウサギ殺人事件の犯人と疑わしいとして捜査を進めていく。
放送終了後、この強姦犯が誰なのか気になった視聴者たちは、インターネットの性犯罪者検索サイト「アルリムE」に殺到。アクセスが集中しすぎてサーバーがダウンしてしまったのだ。