背後に千億円の対中コロナ支援:中露首脳電話会談
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19日、習近平はプーチンに電話したが、背後には中国がBRICS銀行からコロナによる経済損失を埋めるための千億円の支援金を得た事実があり、アメリカがIMFや世銀に「一帯一路」参加国への融資を阻止した背景がある。
習近平がプーチンに電話
3月19日、習近平国家主席はプーチン大統領に電話をした。表面的には新型コロナのパンデミックを受けて治療や治療薬開発などに関して互いに協力しようということが主たる内容で、中国の報道によれば、プーチンが中国の感染拡大阻止への対応が実に素晴らしいと高く評価したということになっている。
プーチンは新型コロナ肺炎発生が明らかになると、1月の時点で直ちに中国との国境を封鎖しているので、習近平が「気を悪くしているのではないか」と推測されるだろうが、「そんなことはないよ」というシグナルではないかと日本では報道されている。
その側面は否めないし、だとすれば日本の安倍首相が、習近平国賓招聘を4月に控えて、1月の時点で中国からの来日者を遮断しなかったのは、全く無用の忖度であったことが言えよう。
しかしそのようなことで電話をする習近平ではなく、実はそこには、「深~い」事情が潜んでいた。
BRICS銀行が中国に千億円のコロナ緊急支援金
習近平がプーチンに電話した同じ日の3月19日、中国政府は財政部の情報として「新開発銀行が中国の新型コロナウイルス肺炎との闘いを支援するため70億人民元の緊急支援融資を承認した」と報道した(報道は3月20日)。
新開発銀行は、2015年7月にBRICS五ヵ国(中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)が共同で立ち上げた銀行で、BRICS銀行とも呼ばれている。