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感染症対策米、新型コロナウイルス対策で渡航者にスクリーニング検査開始へ マスク増産も
米国は、国内での新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向け、新型ウイルスの感染リスクが高い国からの渡航者に対するスクリーニング検査を開始するとともに、マスクや検査キットの生産を拡大する。写真はニューヨークのマンハッタンにあるドラッグストア。2月27日撮影(2020年 ロイター/Carlo Allegri)
米国は、国内での新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向け、新型ウイルスの感染リスクが高い国からの渡航者に対するスクリーニング検査を開始するとともに、マスクや検査キットの生産を拡大する。
ワシントン州の保健当局は29日、同州で新型ウイルスに感染した50代の男性が死亡したと発表した。国内感染者で初の死者となった。感染経路はまだ分かっておらず、同州ではこのほか、長期療養施設で新型ウイルスとみられる感染例が2人確認されており、50人以上の入居者と職員にも広がる可能性がでている。
米国でこれまでに確認された新型ウイルスの感染者は約70人。大半が西海岸に集中しているが、シカゴ地域やロードアイランドでも新たな感染者が出ている。
ニューヨーク州のクオモ知事は1日、イランに最近旅行した同州の30代の女性が感染したとツイッターで明らかにした。同州で初の感性例となった。女性は自宅で経過観察を受けており、呼吸器症状があるが、重症化はしていないという。
トランプ大統領は同日、新型ウイルスの感染リスクが高い国からの米国への渡航者を対象に搭乗前と到着時にスクリーニング検査を実施する方針を表明した。具体的な国名には言及しなかった。
アザー米厚生長官は同日、ABCの番組で、米国には7万5000箱の新型ウイルス検査キットがあると明らかにした上で、今後数週間に生産を「急激に」増やすと述べた。
新型ウイルス対策の責任者に任命されたペンス副大統領は、月間3500万枚のマスク増産に関し、政府がスリーエム(3M)と契約を結んだことを明らかにした。マスクを必要とするのは医療従事者だけだとし、国民に買い占めないよう促した。
また、今後6週間以内に新型ウイルスのワクチンの臨床試験を開始するとしたが、ワクチンが今シーズンに利用可能になる見込みは低いとの認識を示した。
ペンス氏はまた、米国で今後感染者が増えるとの見通しを示した上で、感染者の「圧倒的多数」は回復すると強調。「感染者が出ている地域以外では、平均的な米国人にとって感染のリスクは依然として低い。われわれには対応する用意がある」と語った。
米国はイランへの渡航歴のある旅行者に制限措置を講じ、感染が拡大しているイタリアと韓国の一部地域への渡航中止を勧告している。
トランプ大統領は1日、メキシコとの国境封鎖も検討していると明らかにした。
メキシコでは新型ウイルスの感染者は4人報告されている。
1日には米ヒューストンで開催予定だった石油相やエネルギー会社が一堂に会するエネルギー会議が中止となった。
デルタ航空は1日、新型ウイルスの感染が拡大しているイタリア北部のミラノ行き航空便の運航を5月まで停止すると発表した。ローマ行きは運航を継続する。アメリカン航空グループも同日、同様の措置を発表した。
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