【解説】マレーシアの複雑過ぎる政治劇、またも見送られたアンワルの首相昇格
2020年3月2日(月)19時30分
いずれにせよ、新しく発足する連立政権の下では、汚職摘発や政治資金制度改革など、2018年の総選挙で希望連盟が約束した政治改革の推進が後退するだろうと、市民活動家たちは恐れている。
「希望連盟の選挙公約は私たちのような市民団体の主張を反映させたものだったが、既に有名無実になっている。全てが振り出しに戻った」と、選挙監視活動に取り組む市民団体「ベルシ」のトマス・ファン会長は言う。「たとえ希望連盟の政権が続くことになっても、政府に対する人々の信頼は損なわれてしまった」
(編集部注:マハティールと同じ政党に所属するムヒディン元副首相が最終的に野党連合と組み、29日に首相に任命された)
<2020年3月10日号掲載>
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【参考記事】マレーシアの若者たちに「日本人を見習おう」 マハティール首相、ルックイースト再び
2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。
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