韓国史上初、地上波ニュースのメインアンカーに女性 男性優位社会からの脱却進むか
アンカー、キャスターやアナウンサーとどこが違う?
そもそもアンカーとアナウンサー、またキャスターは何が違うのだろうか? 日本では、アンカーという言葉よりもアナウンサーやキャスターの方が馴染み深いかもしれない。
「アナウンサー」とはその名の通り、アナウンスを行う人のことをいう。正確に情報を伝えることが主だった仕事といえる。「キャスター」は、Newscasterの略で、ただニュースを読むだけでなく、意見や独自の解説などを織り交ぜて伝えることが多い。
そして「アンカー」は、さらに影響力のある意見を述べ、独自取材を行ったり、集まった資料をまとめ上げたり、総合監督のような存在でもある。つまり、司会を務めつつ番組作り全体にも大きく携わっているため、それだけ重要な役回りといえる。
ここ数年フェミニズム意識が根付いている韓国で、そんな番組の顔ともいえるアンカーに今まで女性がいなかったことは驚きだった。海外でも韓国の女性アンカー誕生は次々と報道されている。
各国メディアが、イ・ソジョンさんキャスター起用を伝える
世界三大通信社の一つであるAFP通信では、抜擢が発表された後「Breaking news and barriers: South Korea's first female anchor(報道の世界とバリアを打ち破る:韓国初の女性アンカー)」というタイトルで特別記事を報道した。AFP通信は記事の中で、イ・ソジョンさんを「男性中心の文化が一般的な韓国社会で、数十年間男性の所有物だったアンカーを奪い取った"開拓者(trailblazer)である」と称している。
さらに、イギリスの日刊紙「The Times」でも、「South Korea welcomes its first female news anchor(韓国が最初の女性アンカーを歓迎する)」と言うタイトルの記事を発表している。続いてフランスの日刊紙「Le Figaro」や、シンガポールの日刊紙「The Straits Times」など多くの報道機関が取り上げ、韓国の男性アンカー社会において、イ・ソジョンさんの起用は今後の大きなターニングポイントになるだろうと伝えた。
イ・ソジョンさんがメインアンカーに就任してから、すでに約3カ月が経とうとしている。去年11月任命以後 『ニュース9』の視聴率は平均9.6%から11%に上昇し、成果が見えだしてきている。その間、中央日報系列のケーブルテレビ局JTBCが看板番組『ニュースルーム』の週末版にハン・ミンヨンさんを単独女性アンカーとして大抜擢した。これも、イ・ソジョンさん効果と言っていいかもしれない。