トランプ政権の新型コロナウイルス軽視に批判が噴出、支持率も低下
'Utterly Irresponsible' to Put Mike Pence in Charge of Coronavirus Response, Says Alexandria Ocasio-Cortez
トランプはウイルス対策チームのトップにペンスを任命したが…… Carlos Barria-REUTERS
<ウイルス対策チームのトップに任命したペンス副大統領には、州知事時代にHIVウイルスの感染拡大を許した「危険な」過去が>
ドナルド・トランプ米大統領は2月26日、マイク・ペンス副大統領を新型コロナウイルスの対策チームの責任者に任命すると発表した。しかしペンスには、インディアナ州知事時代にHIVウイルスの感染を拡大させた過去があるため、トランプ政権の感染対策には各方面から批判の声が上がっている。
まず噛み付いたのは、民主党上院議員のアレクサンドリア・オカシオコルテス。「ペンスは本気で科学を信じていない。世界的なパンデミックを目前にした今、アメリカの感染対策をペンスに任せるのは全く無責任」と、ツイートで怒りを露わにした。「これは人の命にかかわる問題。実際、過去にペンスの決定で死亡した人たちがいる」
ペンスがインディアナ州知事だった2015年、州内でHIVウイルスの感染拡大を危惧して、保健医療の担当者が注射針の交換の必要を提案したにもかかわらず、ペンスは「家に帰って神に祈る」と答えて迅速な対応をせず、結果的に感染を広げたと批判されている。
オカシオコルテスは、「ペンスは医師でもなければ、保健医療の専門家でもない。アメリカ国民の健康を守れるような能力もなければ、そのような立場にもない」と、今回の人事を痛烈に批判した。
感染予防の杜撰な実態
一方、トランプ政権の足元の政府機関も揺らいでいる。米保健福祉省の幹部職員が、武漢からの帰国者への政府対応が杜撰過ぎるという内部告発を行った。
この告発によると、中国・武漢から最初に退避した帰国者の対応にあたった20人あまりの政府職員について、感染を予防する防護服など適切な装備は提供されず、また感染予防のための訓練も受けていなかった、と述べている。
このために、「政府職員は、飛行機の格納庫で帰国者と直接、対面し、ウイルス感染の危険にさらされた。その後も健康を守る適切な手順は踏まれなかった」と、幹部職員は告発している。現在この職員は、この問題を保健福祉省に訴えたところ「不当」な配置転換を命じられたと主張していて、独立機関の特別法律顧問室に内部告発者としての保護を求めている。