中国、新型コロナウイルス死者200人突破・感染者9692人に 米国は渡航警戒レベル引き上げ
武漢市は事実上封鎖状態
新型コロナウイルスは昨年12月、野生動物が違法に取り引きされていた海鮮市場から発生したとみられている。
武漢市がある湖北省では約6000万人が事実上隔離された状態となっている。
湖北省の衛生当局によると、同省では30日時点で新たに1220人の感染が確認され、同省だけで感染者数は6000人近くに上っている。
国外でも日々、新たな感染が報告されており、渡航制限や、反中国感情の広がり、感染予防用マスクの需要急増などにつながっている。
医療専門家は、国外で人から人への感染が増えている状況について、ウイルス感染がさらに拡大する可能性が高まっていることを示すと指摘している。
中国のデータによると、感染患者のうち死亡したのはわずか2%超で、今回のウイルスは、2002─03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こしたウイルスほど毒性は強くない可能性がある。
ただエコノミストは、世界経済への中国の影響力が強まっていることから、SARSの時よりも影響が大きくなるリスクを警戒している。SARSでは約800人が死亡、世界経済は330億ドルの打撃を受けたとみられている。
中国では渡航制限のため、来週の春節(旧正月)休暇明けに数千人の工場労働者の職場復帰に支障が出る可能性があるほか、米グーグルやスウェーデン家具大手イケアなどの主要企業が事業停止している。
工業地帯が広がる山東、黒竜江を含む4つの省は2月10日まで事業を再開しないよう企業に要請している。
*内容を追加しました。
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