遺体を掘り起こせ! 謎の急死を遂げた仮想通貨企業CEOに深まる疑念
CoinSpice-YouTubeより
<死を偽装したのではないか──疑念は深まるばかり。ついに債権者らは弁護士を立て、コッテンの死亡証明と検死解剖調査するよう求めている>
今年1月29日、カナダのマウントゴックスともされる暗号取引所「QuadrigaCX(クアドリガCX)」が突然サービスメンテナンス中になり、2月1日には、州最高裁に債権者保護を申請。取引所はすぐにオフラインになった。
明らかになったのは、ジェラルド・コッテン創業者兼CEOが旅先のインドで前年12月9日に死亡し、利用約11万5000人の口座の1億8000万カナダドル(約150億円)のウォレットに永久にアクセスできなくなったということだ。取引所のコールドウォレットのキーを知る唯一の人物こそ死んだ張本人コッテンだった。この状況は今現在も続いており、顧客たちは宙ぶらりんのまま。
普通ならもちろんこのニュースは、業界の一翼を担う人材の訃報として扱われるが、そうとはいかない。亡くなった後、様々な憶測が飛び交っていた。
疑惑のネタが次々と・・・
実は、クアドリガCXは一昨年、子会社幹部の不正がカナダ帝国商業銀行(CIBC)に見つかり、アカウントは凍結。この時顧客388人の280万カナダドルが取り出せなくなり、これが解除されたのが昨年12月。やっと安心して利用できると思ったところに今度はCEOの突然の死ときた。
ことの経緯があまりにも出来上がりすぎていて、彼が死を偽装したのではないかと疑う声が上がった。
なぜなら、コッテンの死は、死後1ヶ月ものあいだ公にされないままにも関わらず、クアドリガCXは預金を受け入れていたが、少なくとも顧客の一部はその期間中に資金を引き出すことができなかったという。その一方でチワワに100万ドル(1億1000万円)を遺すという内容の遺書は直前に書かれていたという情報もあり、顧客たちの不信感は高まるばかり。
しかも、QuadrigaCXの裁判所指定モニターを務める、会計大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調査から、取引所の暗号ウォレットは空っぽで、ほとんどが他の取引所か違うウォレットに転送されたことが明らかになった。
さらに、コッテンはQuadrigaCXから取得した暗号の一部を使用し、小型株の暗号通貨でのマージン取引をした可能性が高いことまで判明した。
そしてもう一点、胡散臭いポイントは、コッテンの死因だ。「彼はクローン病の合併症で死亡したが、これは一般に致命的ではない」と指摘されている。