米韓首脳が電話会談、関税やエネ取引協議 トランプ氏「状況良好」

韓国大統領の職務を代行する韓悳洙首相は8日、トランプ米大統領と電話会談を行った。写真は7日、ホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
Ju-min Park Jihoon Lee
[ソウル/ワシントン 8日 ロイター] - 韓国大統領の職務を代行する韓悳洙首相は8日、トランプ米大統領と電話会談を行った。トランプ氏は会談は「素晴らしかった」と述べ、関税措置のほか、造船やエネルギー取引などについて協議したと明らかにした。
トランプ氏が韓国の首脳と電話会談を行うのは1月の就任以降初めて。会談後「米韓両国にとって素晴らしい合意の枠組みの可能性が見えてきている。韓国の高官チームが現在米国に向かっており、状況は良好だ」と自身の交流サイト(SNS)に投稿。関税措置のほか、米国産液化天然ガス(LNG)の購入や、米アラスカ州での合弁パイプライン事業などについて協議したと明らかにした。
韓国産業通商資源省は、鄭仁教通商交渉本部長が8日に訪米し、グリア通商代表部(USTR)代表とワシントンで会談すると発表している。
韓国の聯合ニュースによると、韓首相はトランプ氏との電話会談で、米韓同盟の強化と拡大を望むと伝え、貿易不均衡是正に加え、造船やLNG分野で協力する用意があると述べた。
韓氏はCNNのインタビューに対し、トランプ政権が発表した韓国に対する関税措置の削減に向け米国と交渉するとし、韓国は中国や日本などの国と連携して米国に対抗することはないと述べた。
<アラスカLNG事業>
ベッセント米財務長官はCNBCのインタビューで「アラスカで大きなエネルギー取引の話があり、日本やおそらく韓国、台湾が多くの供給を引き受け、資金を提供するだろう」とし、「そうすれば米国内で多くの雇用を生み出すだけでなく、貿易赤字の縮小にもつながるため、検討可能な代替案になり得る」と語った。
ホワイトハウスのレビット報道官は定例会見で、駐留米軍や対外援助も通商協議の一環になり得るとの見方を示した。「トランプ大統領は国ごとにオーダーメイドのアプローチを取る」とし、「それが対外援助や、これらの国における米軍の駐留、駐留経費の負担に関する議論を意味するなら、交渉の一部になる可能性がある」と述べた。
韓国の鄭仁教通商交渉本部長は訪米に先立ち、米国からの輸入を増やす措置を検討しているとし、米国産LNGの輸入拡大について政府内で議論していると述べた。