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ペンス米副大統領演説と中国の反応を読み解く

2019年10月28日(月)12時55分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

今回は後者だ。

中央テレビ局CCTV新聞も、新華網も、一様に彼女の長い抗議メッセージを報道した。定例記者会見における発言なのだが、記者からの質問に答えたのではなく、いきなり彼女の方から「敵意丸出しで」、一気に話し始めた。

怒りの骨子は以下の通りである。

一、新中国が誕生してから70年来、中国人民は中国共産党の指導の下に驚くべき偉大なる成果を収めてきた。8億以上の人民が貧困から脱却し、中国は世界最大規模の中間所得層を擁している。世界のGDP成長の30%を中国が担い、中国は今や世界最大の工業国であり貿易国である。如何なる力も中国人民の発展を阻むことは出来ない。

二、中国の人権状況の良し悪しを決める最も重要な判断基準は、中国人民が満足しているか否かである。

三、中国では、2億人が各種の宗教を信仰しており、その内2000万人がムスリム(イスラム教徒)だ。

四、中国政府はどのようなことがあっても国家主権と、安全および発展の利益を守る。台湾、香港、ウィグルなどの事柄に関しては、全て純粋に中国の内政問題であり、絶対に如何なる外部勢力の干渉も許さない。ペンスを頭(かしら)とする一握りのアメリカの政治屋がこれらの問題において白黒(善悪)を逆転させ、四の五の言い、デマを飛ばして侮辱することは、まさに内政干渉以外の何物でもない。

五、中国の対外政策は正々堂々としており、中国は人類運命共同体を構築しようとしている。中国は絶対に他国の利益を犠牲にさせて自国の発展を達成しようとは思っていないし、他国を威嚇しながら発展するような真似もしていない。世界は中国の友人ばかりだ。

六、ペンス流の、他国に対して四の五のとケチをつけるやり方や、あの偉そうな態度は、逆にアメリカ自身が抱える様々な厳しい現状には目をつぶり、他国を侮辱することにより自国民のアメリカ政府に対する不満を他国に転嫁させることによってアメリカ政治の欠陥から目を背けさせようという目論見を露呈している。

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