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南米エクアドルで反緊縮策の大規模デモ、先住民が首都に行進
エクアドルで政府の緊縮財政政策に反対する先住民の大規模な抗議デモが5日目に突入し、数千人が各地で道路を封鎖するとともに、首都キトに向かって行進する事態となっている。写真はキトに集まった人々(2019年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)
エクアドルで7日、政府の緊縮財政政策に反対する先住民の大規模な抗議デモが5日目に突入し、数千人が各地で道路を封鎖するとともに、首都キトに向かって行進する事態となっている。過去数年間で最も大きな騒乱で、これまでに477人が拘束された。
エネルギー省によると、国営石油会社が操業する3カ所の油田施設が「部外者」に占拠され、石油生産にも支障が出ている。
エクアドル先住民連盟(CONAIE)は、モレノ大統領が先週打ち出した燃料補助金撤廃(実質的な燃料価格引き上げ)を取り消すまで、デモを続けると宣言した。こうした動きと呼応する形で、9日には労働者の全国的なストライキも予定されている。
一方モレノ氏は、社会の秩序の混乱は認めないし、経済改革の一環である燃料価格引き上げ方針も撤回しないと表明した。
キトの南端に徒歩やトラック、バイクなどで到着した約7000人の先住民らは、地元の人々から大歓迎され、食料や水を提供されているのが目撃された。キトで暮らす退役軍人の男性(58)は「大統領は国民を痛めつけている。緊縮措置は大打撃で、モノの値段が高くなっても賃金は上がらない」と怒りをあらわにした。
ロモ内相はラジオ番組で、拘束した477人は主として救急車12台の破壊を含めた暴力行為が原因だと説明した。
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