歴史問題に根ざす日本と韓国「半導体輸出規制」対立の行方
●輸出規制の仕組み
日本は3品目の韓国向け輸出について、手続きを簡略化していた優遇措置を取りやめ、契約ごとに個別許可を義務付ける。日本の政府高官によると、審査には約90日間を要する。
●韓国ができることは
韓国の半導体業界団体よると、韓国メーカーは中国や台湾など、日本のルールが及ばない調達先を探している。
●日本の今後の出方
日本政府によると、追加の輸出規制を検討しており、工作機械など、軍事転用の恐れがある品目にも適用する可能性がある。
特に、輸出手続きの優遇措置がある「ホワイト国」のリストから韓国を外す見通しで、そうなると日本から韓国への輸出は、時間のかかる申請手続きが必要になる。
日本が指定しているホワイト国はドイツ、英国、米国など27カ国。韓国は2004年に追加されたが、初のリスト除外国になる可能性がある。
●今回の対立の背景は
韓国最高裁は2018年10月、植民地時代の元徴用工4人に対して、新日鉄住金が賠償すべきとの判断を示した。日本政府はこれに対する韓国政府の対応が不足しているとして批判している。
日本は、1965年の日韓請求権協定によって徴用工問題は解決済みとの立場で、判決は受け入れられないと反発している。
●WTO
韓国は日本の措置について、世界貿易機関(WTO)のルールに違反すると非難。WTOへの提訴など必要な対抗策を講じると表明している。
日本はWTOのルール違反には当たらないとの見解を示している。
(翻訳:宗えりか、編集:久保信博)
[東京/ソウル ロイター]
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