年間12万個のプラスチック片を口にしている私たち
有毒物質でがん誘発の可能性も
今回の調査は、人はどれだけのマイクロプラスチックを体内に取り込んでいるかについて調べたものであり、人間の体にどんな影響を及ぼすかについては述べられていない。しかしサイエンス・アラートは、マイクロプラスチックが体内に吸収されると有毒な物質を放出するかもしれず、酸化ストレス(酸化反応により引き起こされる、生体に有害な作用)やがんさえも引き起こす可能性があると指摘している。
コックス氏は今回の調査の影響で、自分を含めた調査チームの行動に変化があったとガーディアンに話した。「プラスチックのパックを避けるようになったし、できる限りボトル入り飲料水は飲まないようになった」。さらに、「自分自身でも使い捨てのプラスチックを使わないようにすることや、商品の梱包で脱プラスチックの努力をしている企業をサポートすることは、大きな影響力になる」とコックス氏は述べている。
なお、今回の調査は米国の食生活をベースにした話だが、マイクロプラスチックを体内に取り込むのは世界的な問題であることが分かる調査が、昨年10月に発表されている。オーストリア環境庁はウィーン医科大学と共同で、イタリア、日本、ポーランド、オランダ、ロシア、英国、フィンランド、オーストリアからの参加者8人の大便を分析したところ、すべてのサンプルからマイクロプラスチックが検出された。