最新記事

米中貿易戦争

トランプ、対中関税25%に引き上げを発表 中国は今週の通商協議中止も

2019年5月6日(月)12時21分

一方、貿易政策についてトランプ氏に非公式に助言しているハドソン研究所の中国戦略専門家マイケル・ピルズベリー氏はカドロー委員長の発言について、トランプ大統領の意図を軽く扱っていると指摘。「私は大統領のツイートを文字通りに受け取る。カドロー氏が単なる警告と軽視したのは残念だ」とし、中国側が今週の協議に備えて方針を準備する中で、カドロー氏の発言は米国の立場を弱めかねないと述べた。

ムニューシン財務長官は前週の米中協議について前向きな受け止めを示したが、ピルズベリー氏は、中国側が一部の合意済み事項について態度を転換したとの情報など、より厳しい現状をライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が大統領に報告したことが、今回のツイートにつながったとの見方を示した。

中国貿易の専門家は、米中両国経済がこのところ底堅さを示していることで過信が生まれたとし、「(合意の)緊急性はなくなった。貿易戦争は長期化する可能性が高い」との見方を示した。

JPモルガン・アセット・マネジメントのアジア太平洋担当チーフ・マーケット・ストラテジスト、タイ・フイ氏は、トランプ大統領の新たな警告は逆効果になる可能性があるとし、「中国は米国の交渉戦術が気に入らなければ立ち去る用意がある」と指摘した。ただ、両国は協議に多大な時間とリソースを費やしてきたことから、これまでの進展を維持することを望むだろうと述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241203issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月3日号(11月26日発売)は「老けない食べ方の科学」特集。脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす最新の食事法。[PLUS]和田秀樹医師に聞く最強の食べ方

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港が金融犯罪の重要拠点に、米超党派議員が関係再検

ワールド

レバノン停戦合意、米仏が36時間内に発表か イスラ

ワールド

ロシアのサイバー攻撃、対ウクライナ支援を脅かさず=

ビジネス

ダウ・S&P日中最高値更新、トランプ氏の財務長官指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 7
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 8
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 9
    またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解け…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中