中国、「一帯一路」参加国の不安払拭に注力 東南アジアの鉄道計画再開アピール
シンガポールへの道
マレーシアでのプロジェクトが復活したことによって、中国にとっては、もう1つ別の鉄道プロジェクトを獲得する希望が生まれた。クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)だ。マハティール首相は当初プロジェクトを中止する構えを見せていたが、今のところは延期とされている。
コントロール・リスクスでアナリストを務めるハリソン・チェン氏はロイターに対し、「中国はECRLの再交渉結果に勇気づけられ、クアラルンプールからシンガポールをつなぐHSRが予定どおり進められるよう努力を集中させるのではないか」と語った。
中国政府は、自国の鉄道技術がシンガポールのような先進国でもライバルに勝てることを実証しようと、このプロジェクトの落札に非常に熱心だった。中国の外交官らは、「何が何でも勝ち取らなければならないプロジェクト」と表現していた。
同プロジェクトが復活する場合、CRECの他に、日本、韓国、欧州、シンガポール、マレーシアといったコンソーシアムが競争入札に参加する。
シンガポール政府関係者によれば、プロジェクトが完全に中止されることになれば、マレーシアは巨額の違約金を払わなければならないという。
マハティール首相、シンガポールのリー・シェンロン首相が共に出席を予定している今回の一帯一路参加国首脳会議では、中国が同プロジェクトを改めて推進する姿が見られるかもしれない。
(翻訳:エァクレーレン)
[ワリニ(インドネシア) 23日 ロイター]
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