イースター終了で捨てウサギ急増 対策は「ペットショップでの動物販売禁止」
意図せぬ動物虐待
「ウサギはただケージの中に座ってニンジンを食べているというありがちな誤解がある」と話すのは、皮膚科医のジェイコブ・レビットさん(44)だ。レビットさんはまだ若いウサギ8匹を保護し、ニューヨーク市の豪華マンションの自宅で放し飼いしている。
ウサギを閉じ込め、正しい食事である牧草の干し草を与えないのは「意図せぬ動物虐待」だと、レビットさんは言う。
ファルビオ・ローマンさん(32)の婚約者はペットショップでウサギを「衝動買い」した。世話をするのに準備不足だったとローマンさんは認める。
ウサギは抱っこされるのを嫌がり、エアコンのコードをかみ、大家から返金不可の保証金1000ドル(約11万2000円)を要求されたため、ローマンさんらは飼い始めてから8カ月後にはウサギを保護施設に手放した。
「ウサギの世話がどれだけ大変か、誰もが知っているわけではない。私たちはそれを身をもって体験した」とローマンさんは言う。
ウサギの平均寿命は10年で30日ごとに繁殖し、平均8匹の子どもを産む。前出の保護団体によると、ペットショップでウサギに去勢手術をすることはまれだという。
カリフォルニアの法律では、消費者は動物を保護施設から引き取るか、あるいはブリーダーから直接購入することができる。
米ペット用品協会(APPA)によると、米国でペットとしてウサギを飼育する世帯数は280万世帯。一方、犬の飼育世帯数は6020万世帯、猫は4710万世帯、鳥類は790万世帯、馬は260万世帯だという。
前出の保護団体によると、米国で捨てられている動物のうち、ウサギは3番目に多い。
米国人道協会のジョン・グッドウィン氏は、イースターの贈り物として生きたウサギを購入しないよう訴えている。
「ウサギの形をしたぬいぐるみやチョコレートはいっぱいある」
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
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