一帯一路「5G+4K」フォーラムと中国の「5G+8K」分野別年度別市場規模
青の棒グラフは年度別の「スーパーハイビジョン映像産業生産高」で単位は「億元」。日本円に換算するには、為替レートが日によって異なるが、概ね「16.5」倍にすると、日本円の概数が出てくる。
赤の折れ線グラフは年平均成長率で、分野によっては20%~90%までの幅があるので、全体としては25%~37%程度の成長率となっているのであろう。
今年2019年までの成長率の変化が最も大きく、まさに「今がチャンス」を示唆していると言えようか。
来年2020年からの成長率の推移に関しては、そう大きな変化はない。と言っても35%以上の成長を保ち続けるということは相当なポテンシャリティを持つことになろう。
工信部が発布した「行動計画」は、この「白書」を基にして出されたものである。
中国における「5G+8K」戦略の目的
5Gの目的は、世界の通信インフラだけではなく、IoTや自動運転あるいはドローンや軍事産業など、あらゆる社会インフラを形成することになるのは、今さら言うまでもない。
では中国では「5G+4K・8K」戦略、特に「5G+8K」戦略の目的を、どのように位置づけているのだろうか。先日、中央テレビ局CCTVの特別番組でCCIDの主任研究員との対談があったので、その発言から読み解いてみよう。
目的には大きく分けて以下の6項目があると研究員は解説している。いくつかの項目に対する説明文は筆者が加筆したものである。
一.セキュリティ監視制御
中国で「5G+4K・8K」を発展させなければならない最大の理由は、この監視体制の強化にあり、一党支配体制下にあっては、これは不可避の国家的な最大の目的だと言っていいだろう。ここには日本企業は入り込めない。
二、遠隔医療診察・手術やヘルスケア
中国は国土が広く、かつ病院があまりに混んでいるので、遠隔医療はかなり以前からニーズの高い領域である。解像度がよほど高くなければ手術までは出来ない。情報伝達では音においても画像においても遅延がなく解像度が高いことが要求される。またAIによる遠隔医療もニーズが高く、「5G+8K+AI」の組み合わせが要求される。高齢者が多くなることから、ヘルスケアにも適用される。ここには日本企業が入り込む余地がある。