最新記事

中国経済

一帯一路「5G+4K」フォーラムと中国の「5G+8K」分野別年度別市場規模

2019年4月24日(水)15時00分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

青の棒グラフは年度別の「スーパーハイビジョン映像産業生産高」で単位は「億元」。日本円に換算するには、為替レートが日によって異なるが、概ね「16.5」倍にすると、日本円の概数が出てくる。

赤の折れ線グラフは年平均成長率で、分野によっては20%~90%までの幅があるので、全体としては25%~37%程度の成長率となっているのであろう。

今年2019年までの成長率の変化が最も大きく、まさに「今がチャンス」を示唆していると言えようか。

来年2020年からの成長率の推移に関しては、そう大きな変化はない。と言っても35%以上の成長を保ち続けるということは相当なポテンシャリティを持つことになろう。

工信部が発布した「行動計画」は、この「白書」を基にして出されたものである。

中国における「5G+8K」戦略の目的

5Gの目的は、世界の通信インフラだけではなく、IoTや自動運転あるいはドローンや軍事産業など、あらゆる社会インフラを形成することになるのは、今さら言うまでもない。

では中国では「5G+4K・8K」戦略、特に「5G+8K」戦略の目的を、どのように位置づけているのだろうか。先日、中央テレビ局CCTVの特別番組でCCIDの主任研究員との対談があったので、その発言から読み解いてみよう。

目的には大きく分けて以下の6項目があると研究員は解説している。いくつかの項目に対する説明文は筆者が加筆したものである。

一.セキュリティ監視制御

中国で「5G+4K・8K」を発展させなければならない最大の理由は、この監視体制の強化にあり、一党支配体制下にあっては、これは不可避の国家的な最大の目的だと言っていいだろう。ここには日本企業は入り込めない。

二、遠隔医療診察・手術やヘルスケア

中国は国土が広く、かつ病院があまりに混んでいるので、遠隔医療はかなり以前からニーズの高い領域である。解像度がよほど高くなければ手術までは出来ない。情報伝達では音においても画像においても遅延がなく解像度が高いことが要求される。またAIによる遠隔医療もニーズが高く、「5G+8K+AI」の組み合わせが要求される。高齢者が多くなることから、ヘルスケアにも適用される。ここには日本企業が入り込む余地がある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、TikTok禁止法の60─90日間施行

ワールド

ガザ停戦合意を確認、トランプ氏チームと協力で合意=

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、CPI受けインフレ懸念緩和

ビジネス

米国株式市場=上昇、CPI受けインフレ懸念が緩和
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローンを「撃墜」し、ウクライナに貢献した「まさかの生物」とは?
  • 4
    韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視し…
  • 5
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 6
    中国自動車、ガソリン車は大幅減なのにEV販売は4割増…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険
  • 9
    「日本は中国より悪」──米クリフス、同業とUSスチ…
  • 10
    TikTokに代わりアメリカで1位に躍り出たアプリ「レ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中