一帯一路「5G+4K」フォーラムと中国の「5G+8K」分野別年度別市場規模
66兆円という、この途方もない経費を前にして、日本のビジネスマンならきっと「それなら日本はどれくらい中国市場に踏み込んでいけるだろうか」「中国は日本の関連企業の製品を、どれくらい必要としているだろうか」あるいは「そのニーズはないのか」それとも「分野によってはあるのか......」などと、さまざまなビジネスチャンスを思い描くにちがいない。
そこで、先ずは、工信部のシンクタンクである中国電子信息(=情報)産業発展研究院(China Center for Information Industry Development=CCID)が2018年9月に発表した「2018年中国スーパーハイビジョン映像産業進展と投資価値に関する白書」(以下、白書)を考察してみよう。
CCIDは1995年に当時の中央行政省庁の一つである信息(=情報)産業部によって設立されたシンクタンクだが、2008年の中央行政省庁の改変によって現在の工信部直属のシンクタンクとなった。持ち株の関係上、俗称的に賽迪グループと呼ばれることもある(経緯は複雑なので省略)。
白書では、2022年の「5G+4K・8K」産業、特に「5G+8K」産業に重きを置いた分野別の生産高と年平均成長率を以下のように予測している。
1.テレビやハイビジョンスクリーンなどのハードウェアの生産高は15681.7億元(約25.87兆円)で、年平均成長率(CAGR、Compound Annual Growth Rate)は20%。
2.ネット・インフラやビデオ制作などに関する生産高は10386.2億元(約17.14兆円)で、年平均成長率は80%。
3.アプリケーションやサービスなどに関する生産高は7546.2億元(約12.45兆円)で年平均成長率は90%。
中国の「5G+8K」の年度別市場規模と成長率
白書では、これらを総合した、「2017年から2022年までのスーパーハイビジョン映像産業の年度別生産高と年平均成長率」を以下のようなグラフで示している。このグラフは白書にある中国語表記を日本語に翻訳して筆者が描き直したものである。
【2017年-2022年スーパーハイビジョン映像産業の年度別生産高と年平均成長率】
横軸にある「E」という文字は、「予測値」を表すために"Expect"の「E」を表している。2018年9月に発表された白書なので、2018年も年末までを考慮に入れて、白書執筆時点では「予測値」に過ぎないので、「E」の文字があるのだろう。