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中国経済中国、全人代で経済の懸念払しょくへ 指導部は減税など対応策提示か
中国では3月5日に全国人民代表大会(全人代)が始まる。写真は、昨年の全人代での習近平国家主席。北京で昨年3月撮影(2019年 ロイター/Damir Sagolj)
中国では3月5日に全国人民代表大会(全人代)が始まる。同国経済が減速を続け、ここ数年で最大の正念場を迎える中で、指導部はいくつかの対策を打ち出して懸念の払しょくに努める見通しだ。
政府は国内外の要素が依然として先行きの経済を圧迫すると認め、今年の経済目標は以前より控え目に設定するだろう。ただ全人代の冒頭に李克強首相が発表する政府活動報告には、中小企業支援や需要喚起、雇用確保などのためにさらなる措置を講じる考えが盛り込まれると予想される。
包括的な減税も表明される可能性がある。一部のエコノミストは、減税規模が3000億ドル近くになってもおかしくないとみている。
足元の中国経済の成長ペースは1990年以降で最も鈍い。米国との貿易摩擦に加え、政府による金融リスク抑制で企業の借り入れコストが上がり、投資が冷え込んでいるためだ。
このため複数の関係者はロイターに、今年の成長率目標は昨年の6.5%前後から6.0─6.5%に修正される公算が大きいと明らかにした。投資家は、成長率などの経済目標を、当局が金融・財政政策を調整するかどうか判断する手掛かりとして注目している。
専門家の話では、中国政府は国内総生産(GDP)を2010年から20年までに2倍にする長期目標を定めており、達成には成長率を6%超に保つ必要がある。政府には、大幅な景気減速は失業を増大させ、社会不安につながりかねないとの心配もある。
興業銀行(上海)のチーフエコノミスト、Lu Zhengwei氏は「政府は今年、四半期ベースで6%未満の成長を受け入れないだろう。下振れを止められなくなるかもしれないと不安を持っているからだ」と指摘した。
政策担当者は過去に行ったような大規模な景気刺激策は念頭になく、金融システムのリスクを抑え込む取り組みは堅持していくと表明しているものの、融資促進や企業の調達コスト引き下げなどの政策を実施しており、軸足は経済成長に移っている。減税などの措置も昨年の1兆3000億元規模だけにとどまらないとみられる。
こうした中で関係者によると、税収減と歳出拡大を背景に、今年の財政赤字の対GDP比目標は、3%未満にはなるとしても、昨年の2.6%から上昇しそうだ。
貿易問題
もっとも全人代で大きな存在感を示すのは貿易問題だろう。米中貿易協議が摩擦を和らげたり、関税の応酬を止めるような合意に近づいているのかどうかはまだはっきりしていない。
中原銀行のチーフエコノミスト、Wang Jun氏は「貿易摩擦で中国が抱える国内問題があらわになっている。例えばどうやって国際ルールに適応していくか、または米国との外交にどう対処していくか、筋の悪い競争ではなく『正常な』競争をいかに進めていくかなどだ」と述べた。
ただ中国政府は、米国などの批判に対応する形で外資の技術移転の強要や外資事業に対する政府の違法な「介入」を禁止する法案を全人代に提出している。全人代は政府の方針をほとんど承認するのが通例だけに、この法案も可決される見込みだ。
(Ryan Woo、Kevin Yao記者)
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