イギリスのEU離脱阻止を目指しオランダでアイドルグループが結成された
「英国よ、どうか行かないで」と恋人に訴えかけるような気持ちを歌い上げるBreunion Boys
<このままEUに残って欲しい、それだけを伝えるために結成されたボーイバンドがオランダに登場した>
ユンケル委員長「しっかりしなさい」
2019年は、英国が欧州連合(EU)を離脱する年、ブレグジットの年だ。「Xデー」は今年3月29日の予定だ。とはいえ、EU側となかなか条件が折り合わず、昨年あたりから話がだいぶ混乱気味になってきた。ブレグジットをめぐる指導力を問われたテリーザ・メイ首相の信任投票が行われたり(結局、信任されてメイ首相はことなきを得た)、「ブレグジットを問う国民投票をもう1度実施しよう」という声が上がったり(今後実施される可能性はまだ残っている)。
欧州委員会のユンケル委員長はドイツの日曜紙ヴェルト・アム・ゾンタークとのインタビューで、英国に対してしびれを切らしたかのように、英国民に伝えたい言葉として「しっかりしなさい。君たちが求めているものは何なんだ」と述べている(英エクスプレス紙)。
2016年に行われた国民投票でEUからの離脱が決まって以来、ブレグジットは「英国とEUの離婚」と描写されてきた。単に法的な決めごとのみならず、離れるには感情的な難しさもあるだろうし、比喩としてぴったりだ。
英国への愛を歌うオランダ発のボーイバンド
そんななか、「英国よ、どうか行かないで」とまるで恋人に訴えかけるような切ない気持ちを歌い上げるボーイバンドがお隣の国オランダに登場した。その名も「Breunion Boys」(ブリユニオン・ボーイズ)だ。「英国と連合する」という名前が示すとおり、このままEUに残って欲しい、それだけを伝えるために結成されたグループだ。
ロイター通信によると、バンドを作ったのはアニメーターのユリア・ヴェルドマンさん。英国が国民投票で離脱を決めたと知った時、「泣きじゃくった」という。
そんなユリアさんがなぜ、離脱阻止にボーイバンドという手を使ったのかについては、ユリアさん自身がビデオで説明している。英国の「離脱派」と「残留派」の間には、「テイク・ザットが好き」という共通点があったというのだ。テイク・ザットとは、かつて世界的に大人気を誇った英国のアイドル・グループだ。
Breunion Boys - Britain Come Backそこでユリアさんは、テイク・ザットのようなボーイバンドを作ってこの思いを表現しようと、オーディションをしてメンバーを募ったという。もちろん、オーディションで判断する点は歌と踊りのみならず、「英国とEUの永遠なる友情を信じている」という部分も大切な要素だった。