最新記事

アメリカ政治

トランプ、議会との対立解消せず 国境の壁建設に「非常権限行使も」

2019年1月5日(土)10時24分

1月4日、トランプ米大統領はペロシ下院議長ら民主党指導部との会合後、記者団に対し、メキシコ国境の壁建設に向け、非常権限を行使する可能性を示唆した。写真は会合後に会見するトランプ大統領。1月4日、ワシントンのホワイトハウスで撮影(2019年 ロイター/Jim Young)

トランプ米大統領とペロシ米下院議長ら民主党指導部は4日、2週間にわたり一部閉鎖が続いている政府機関の再開を巡り協議したが、争点となっているメキシコ国境の壁建設費用を巡る膠着の打開には至らなかった。

トランプ大統領は会合後記者団に対し、自身が看板政策として掲げるメキシコ国境の壁建設に向け非常権限を行使する可能性を示唆。壁建設のために国家非常事態を宣言することを検討しているかとの質問に対し、「検討したことはある。宣言することは可能で、宣言するかもしれない。そうすれば、迅速に壁を建設できる」と応じた。

米国では、議会が政府の予算審議・編成を行う権限を担っている。

非常事態宣言は民主党に対する脅しかとの質問に対しては、トランプ大統領は「国家の安全保障に関わることであり、非常事態を宣言することは可能だ」とし、「誰も脅したことはないが、私にはそうすることが許されている」と述べた。

トランプ大統領との会合後、ペロシ下院議長は政府機関が再開するまで、議会が国境警備を巡る懸案を解決することはできないとの認識を強調。記者団に対し、「非常に長く、時に議論となる話し合いを終えたが、対話を継続していくことで一致した」と語った。その上で「閉鎖中の政府機関が再開されるまで、この問題を解決することはできないとの民主党側の見解を大統領に明確に伝えた」と語った。

トランプ大統領も、会合は「非常に建設的だった」と述べた上で、自身が看板政策として掲げるメキシコ国境の壁建設を巡り、ペンス副大統領ら政府高官が週末に協議することを明らかにした。

[ワシントン 4日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中